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海藻観察

奈良女子大学実習2015②

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奈良女子大学実習レポートの続きです.
 

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採ってきた海藻を紙の上に乗せて,
 

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ガーゼと吸水フェルトで挟んで押し葉標本にします
 

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皆さん海藻への思いを形にして紙の上に表現していますね.

因みに,手前の赤茶色い「ベニモヅク」は水分が多くガーゼなどにくっついてしまうため,

空気乾燥で標本にします.
 

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さらに,事前に用意してあった押し葉標本を使って,

今年は新たな取り組みが行われました.
 

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標本と台紙をフィルムに挿んで...
 

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圧着機を通します.ウィーン...
 

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なんとラミネート標本になりました

台紙を使わなければ表と裏が両方みられるという優れもの.

技術は進歩しますねえ.
 

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こちらは南浜の岩礁に繁茂していた謎の藻類を顕微鏡で観察中.
 

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何とこれ,ケイソウの群体でした

一個体一個体がゆっくりと動いているのがわかります.

ゆったりと,大河の流れのごとくでした.

生きものは見ていて飽きませんね.


奈良女子大学実習2015①

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2015年5月31日から6月4日にかけて,奈良女子大学の臨海実習が行われました.
 

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一日目は素晴らしい天気に恵まれました

早速海藻実習に出かけます.
 

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たまたま外に出てきていた技官さんたちが遠くから見守ってくださっていました.
 

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講師は京都大学の鰺坂先生です.

先生のお話をしっかりメモする学生さんたち.
 

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引率は奈良女子大学の遊佐先生です.

学生さんたちに見せるための動物をお探し中.
 

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帯状分布のご説明中.

動物だけでなく,もちろん藻類でも帯状分布は見られます.

こちらは季節限定ですね.
 

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それにしても良い天気です
 

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オーバーハングしている部分は,日が当たらないために,

シマオオギなどの深場の海藻が生えています.
 

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持ち帰った海藻を使って切片を見ます.

外見だけでなく,切片を作って観察しないと同定が難しい種もいます.
 

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磯観察中に採れたヤガラの仲間.

餌にうるさいため大変飼うのが難しい種類で,

少し観察した後,海に帰してあげました.


龍谷大学実習①

2015年4月2日から4月5日にかけて,龍谷大学環境フィールドワーク実習が開催されました.
 

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講師は,去年に引き続き,学振PDの千徳博士です.

お昼ごろに到着した学生さんたちを,
 

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息つく間もなくセレナ(公用車)に乗せ,
 

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港に拉致

実は天候の都合で,

少しでも早く畠島へ渡って磯観察を開始する必要がありました.
 

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ヤンチナで渡島
 

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のはずが,ヤンチナ謎の不調により,

ゾエアで渡すことに.

後の調査で,係留ロープに多量の生物が付着していたことが不調の原因と判明しました.
 

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 すったもんだの末に島に渡りました.

河村博士による畠島の解説の後... 
 

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早速野外で磯観察です
 

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今回は3班に分かれ,班対抗で観察種数を競ってもらいました
 

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タツナミガイさんの紫汁に驚愕

随分大型の個体がみられるようになりました.春ですねえ.
 

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この日は赤潮が大発生

ヤコウチュウの群れです.持ち帰って観察しましょうね.
 

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磯にたくさんの海藻が打ちあがっていました.

河村博士が持っているのはヒジキです.

スーパーに売られている姿との違いに,みな驚きが隠せない様子.
 

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じっくり二時間半,磯観察が終わりました

潮の条件があまりよくない中での観察でしたが,みなさんとてもまじめに取り組んでくれました


藻類と海浜植物の系統と進化⑦

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すさまじい天気になってきました...

白浜では珍しく,猛吹雪です
 

 

 

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そんな中,構内の植物の観察結果の発表会が始まりました.

「トベラとナワシログミにおける種内変異について」
 

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「ハマダイコンの形態解析の諸諸」
 

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外部形態観察だけでなく,

切片なども作成し,多角的に検証してくれました
 

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最終日は自畠島に渡りました.実験所研究船の「ゾエア」が大活躍です
 

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大和先生がご同行くださりました.

畠島の説明をされています
 

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寒風吹きすさぶ中,海浜植物の説明中.

畠島は,このような植物が自然の状態で生い茂っている貴重な場所らしいです.
 

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せっかくなので海藻の説明.強風のためかはわかりませんが,

かなりの数の海藻が打ちあがっていました.
 

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中でも圧巻だったのがコチラ.「ヒロメ」です.

白浜周辺では何故かワカメが育成できないため,

代わりにこのヒロメを主要な食用海藻として生産しています.

独特の食感がクセになる逸品で,

現在ではこれを名産として売り出しています.
 

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皆で撮影会になりました
 

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畠島で収集した植物も併せて,押し葉標本にして終了
 

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最後は恒例のウミウシフィギュア謹呈です.

皆さんお疲れ様でした


藻類と海浜植物の系統と進化③

 

 

 

植物の組織切片の切り方紹介です
 

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このように,スライドグラスをクロスさせ,

その間に切片にしたい組織を挟みます.
 

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片刃の剃刀を用意し,スライドグラスをずらしながら
 

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切る
 

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切る
 

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するとこのように組織の薄切りが出来上がります.
 

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水を張ったシャーレにこの薄切りを移し...
 

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様々な厚みの組織片から,特に薄いものをピックアップ



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顕微鏡で観察するとこの通り

お手軽簡単な切片作成法でした.
 


藻類と海浜植物の系統と進化②

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室内観察の次は,干潮に合わせて磯に出ます.
 

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鰺坂先生による野外での講義.

見て,さわって,匂って...文字通り「五感」で海藻を同定していきます.
 

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乾燥に耐えるボタンアオサ.
 

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ムカデノリ
 

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ピリヒバとアオモグサの群落.



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これは,ベニスナゴ?
 

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アオモグサの中には,小さなケブカガニ?の赤ちゃんが.

海藻は,様々な生物のよりどころになっているのですね.
 

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持ち帰った海藻の標本作成.まずは淡水で塩抜き.

湿度の高い日本ならではの作業で,乾燥している欧米ではやらないのだとか.
 

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うまく紙の上に海藻を乗せ,
 

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整形します.
 

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後は,吸水紙とガーゼで挟んで乾燥

お疲れ様でした


藻類と海浜植物の系統と進化①

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分子実習との入れ替わりで,

公開臨海実習「藻類と海浜植物の系統と進化」が開催されました

全国から集まった参加者に,実験所の案内です.
 

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講師を務められる,京大の鰺坂先生です.
 

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まずは室内にて,先生が集めてこられた藻類の観察.

この季節は様々な藻類が芽吹いています(”芽吹く”というのも変な表現ですが).

こちらはカゴメノリ.
 

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夏の実習からのリピーターがたくさん参加してくれました
 

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こちらはボタンアオサの葉体の断面.

よく似たヒトエグサとは違い,細胞が二層になっているのが分かります.


奈良女子大学実習②

奈良女子大学実習第二弾です.

番所崎での観察はまだまだ続きます.

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波打ち際から...

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タイドプールから...

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波が激しく当たる岩場まで!



それぞれの環境には,それぞれに適応した海藻が分布しています.

段々と環境を変えながら観察していくことで,その変遷がよく理解できます.

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岩場の最前線に果敢に攻めいる人物が一人。

と思ったら遊佐先生でした。

学生に見せるためのウミウシを探していたそうです.

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お,遠くに見たことある人が.

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調査中の凌君でした!

遠くなので声はかけられませんでしたが,

彼は毎月大潮の際に,どんなに寒かろうと暑かろうと,

定点で貝類の調査をしています. 

※安全には十分注意した上で調査にあたっています.

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みなさん,とても真面目に先生の海藻の解説に耳を傾けています.

普段何気なく見ている岩場にも,実は驚く程多様な海藻が生息していることがよくわかります.

分類を学ぶことの一つの意義は,

こうした自然をより深く楽しめるようになるための知識を得られるところにあるのかもしれません.

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南浜からグルッと回って,北浜の洞門に帰ってきました.

お疲れ様でした。


奈良女子大学実習①

5月26-31日にかけて,奈良女子大学の実習が行われました。

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この実習でも,毎日野外に出ます.

まずは海藻実習のための事前講義です。

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そして早速フィールドにいきます。

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おや,どこに行くかと思いきや?

まずは避難経路の説明ですね.

南方熊楠記念館までいけば,想定津波到達高は免れます。

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そして改めて野外へ.

この実習では,麦わら帽子着用者が多いようですね.

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まずは海岸で説明.

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この時期は脱落した海藻が浜に打ち上がるんですね。

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引率の遊佐先生も,そんな学生の様子を撮影するため,

胴長装備です。

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海岸での実習は続きます.

春先にはヒトエグサなどの緑藻が繁茂していましたが,

ほとんど見られなくなっているなど,

海藻相の変遷が見られました.

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タイドプールに魚の群れが。

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 ぐるぐる...

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ぐるぐる...

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 ぐるぐる...

ずっと輪を作って泳いでいました.

カタクチイワシの群れだそうです.

潮の関係で取り残されてしまったようですね.

こんな珍しい現象に恵まれながら,実習が始まりました。

続く.


藻類の系統と進化⑥

 

ついに最後の野外実習です。

この日の作業は、海藻の組成比較です。

各班で二つのタイドプールを決めてもらい、海藻の分布を調べ、比較します。

ポイントになるのはタイドプールの選び方です。

水深、面積、低質、海岸からの距離、高さなどの条件のうち、一つの条件だけが異なるように

タイドプールを選定することで、その条件が海藻の分布に及ぼす影響を考察してもらいます。

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タイドプールを決めたら、まずは水をバケツで掻き出します。

ある程度の深さに生えている海藻も観察するためです。

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しかしこの日は強風でした。

掻き出した水が、風にあおられてすぐに霧状に。

本当に過酷な作業でした(経験者談)

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水がなくなったタイドプール内の海藻の分布を調査中。

水平分布だけでなく、垂直分布も調べます。

実に骨の折れる作業です。

みんなヘトヘトかと思いきや…?

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まだポージングする余裕が。

強風も、彼らにとっては演出の一部にすぎないようです。

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穴の見えない円月島をバックに、この余裕っぷり。 

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実習室に戻って、結果発表会です。

今回は、多くの班が水深に着目していました。

光合成を行う植物にとっては、やはり数10cmといえども、

水深は大きく分布に影響するようです。

紅藻、褐藻、緑藻である程度垂直分布に差が見られました。

とはいえ、そう簡単に傾向が出ないのもフィールドワークの妙。

みなさん、それぞれの結果に全身全霊で考察を加えてくれました。

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発表会終盤。

とある鋭い指摘が。

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あ!May 21て!!

※3月に行われた実習です。

この班は文字のデザインにこだわってくれましたが、

最後の詰めが甘かったようです。

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無事発表終了。

このあとはいよいよ打ち上げです。

最終話へ続く。

※タイドプールの水は、スタッフによってもとの水位に戻されました。


藻類の系統と進化④

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野外観察の続きです。

先生の後ろには深いくぼみがあり、日中は陽が差さない場所になっています。

こういったところには、暗所に適応した藻類が生息しています。

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これはムカデノリ「Grateloupia asiatica 」です。

太い茎部分から、細い足がたくさん生えていて、

まるでアレのようなことからこの名前が付けられているそうです。

ああ、そういえばもうそろそろアレが出てくる時期なのですね…(遠い目)

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少し休憩。

無理せずこまめに休憩をとることも、磯観察の重要なポイントです。

ゴールまであと少し!

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帰所後、採集した海藻の標本づくりです。

綺麗につくると、このような美しい標本になるそうです。

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まず、海藻を、このようにツルツルのコピー用紙に

そっと乗せて、形を整えます。

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吸水性のあるフェルトでこの海藻用紙を挟みまして。

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サンドイッチに。

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そらにダンボールで挟んで、扇風機で一晩乾かします。

うまく標本はできているでしょうか?

続く