分類学についてです.
コンビニで迷うことなく目的のものを買うことができるのは,
体系的に陳列されているからだということは,前回お話いたしました.
では,生物の名前も混乱が内容に用いるためにはどうすればよいのか?
答えは簡単で,同じように体系化すればよいのです.
実際,体系的な名前の整理は,紀元前4世紀ごろ,アリストテレスの時代から行われてきました.
しかし,リンネはここに「階層性」という革命的な概念を取り入れたのです.
まず,とあるところに,12種のテヅルモヅルがいたとしましょう.
この12種の中から,似たものどうしを集めて集団にします(これを「クラスター」といいます).
さらに,このクラスターをさらに似たクラスター同士にまとめます.
これを繰り返すと,このような入れ子構造ができてきます.
これがリンネの考えだした「階層性」で,それぞれのクラスターのレベルに
分類階級(属,目,綱など)を与えました.
これが現在も使われている「階層式分類体系」です.
これは,写真などのファイルをフォルダに振り分ける作業に似ているかもしれません.
そもそも,PCではファイルを「階層」で分けていますよね.
リンネが初めてこの階層性を用いた際には,
「綱,目,科,種」が使われていましたが,
その後研究が進むにつれ,細分化などが進み,
少なくとも動物では,現在では以下のように,
上から順に「ドメイン,界,門,綱,目,科,属,種」等が用いられています.
しかしもちろんこれは日進月歩で,
最近では界と門の間にいくつかの分類階級群が存在するということで,
○亜界
(左右相称動物亜界)(非左右相称動物亜界)
○下界※非左右相称動物亜界の中で
(前口動物下界)(後口動物下界)
○超門
(脱皮動物超門)(冠輪動物超門)(脊椎動物超門)(歩帯超門)
等が設けられるようです.
http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/281/1794/20141729.abstract
ですが,これらはいずれも「界」や「門」に付随して設置された階級で,
基本的な階級に変更はありません.
あと,この論文のフォーカスはこのような階級の設定ではなく,
脊椎動物を三つの門に分ける,というところです.念のため.
続く.