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2014年9月4日~10日 京都大学臨海実習二部+公開臨海実習

京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑦~オフショット集~

京大実習レポート最終話です
 

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最終日は恒例のBBQで打ち上げです

朝倉先生の乾杯のごあいさつ.
 

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海の幸も山の幸も食べつくせ
 

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ナーラさんのエジプトの手料理を堪能.
 

味覚が「美味しい」か「すごく美味しい」しかない私は

食レポが非常に苦手なのですが,

スパイスが効いていて酸味もあって美味しかったです.

(伝えきれなくて無念です)
 

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そして室内に移動して二次会(?)

打ち上げは夜遅くまで続きました.
 

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翌日はお掃除

お世話になった実習室を襲寺して帰りましょう
 

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朝倉先生の締めの挨拶.
 

動物学会などでは,近年発生進化学(エボデボ)や生態進化学(エコデボ)

と呼ばれる分野の研究発表が盛んです.
 

一方,「終った学問」という印象もある系統分類学ですが,

実際には多くの未記載種や学名の整理に,

まだまだやることが盛りだくさんの分野です.
 

それだけでなく,あらゆる分野の研究成果を全て形質として取り込めるという点で,

これからの発展性も見込める,やりがいのある分野だと私は感じています.

瀬戸臨海実験所は,そのような系統分類学を行っている,全国でも数少ない研究施設です.

興味のある学生は是非とも門戸をたたいてみてくださいね.
 

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最後に,ウミウシフィギュア+マグネットをお土産に持って帰ってもらいました.
 
 
 

というわけで
 
 
 
 

京大+公開臨海実習終了!

おつかれさまでした。


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑥

アーウィンループを作成しても,観察対象がいなくては実習は始まりません.

ということで,
 

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フジツボから
 

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砂の中から
 

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メイオベントスを採ります
 

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今回の目玉生物はコチラ.
 

チリハギガイという,体長数ミリの寄生性二枚貝です.

普通はイガイ類に寄生しているという話なのですが,

なんとヒザラガイの表面をガリガリ削ってみたところ,

この貝が得られました.
 

殻の中の黒くなっている部分では,

稚貝を育てているそうです.
 

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最後は朝倉先生による甲殻類の解剖.

磯に普通に見られるホンヤドカリを解剖し,

その機能形態や,体節性を学んでもらいました.

まずは殻を割って中身を取り出さなくてはなりません.

そのために使ったのが...
 

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この...
 

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万力

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実に優秀な対ヤドカリ兵器のおかげで,

このように硬い殻に引きこもったヤドカリも,無傷で白日の下にさらされました.

ちなみに,事前に採集したアルコール標本を用いています.
 

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このように,ピンセットで体節の付属肢を一本ずつ解体し,
 

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顕微鏡で観察します.

体節ごとの形態の違いを学んでもらいました
 

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 最後に,朝倉先生のセミナーで,

実習課題はおしまい

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑤~アーウィンループ作成!~

京大実習レポート第五弾
 

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毎度おなじみメイオベントス実習ですが,

今回は一味違いました
 

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その秘密はこれ!アーウィンループの作成を行いました
 

メイオベントスは非常に小さいため,普通のピンセットでつかむのが困難なばかりでなく,

掴んだとしてもプチッと潰してしまう場合があります.
 

そこで,このような金属製の小さな輪っかを作り,

その径中に表面張力でメイオベントスをトラップして無傷でスライドグラスに載せて観察します.
 

これを「アーウィンループ」と呼びます.
 

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コチラは作成風景.非常に繊細な作業です.
 

材料は以下の通り.
 

・タングステン線(0.2 mm径,0.4 mm径),

・0.1 mm径ニッケル線

・割り箸一本

・アロンアルファ
 

です.それでは作り方説明
 

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まず適当な長さ(20cmもあれば十分)のニッケル線を,

両端がほどけないように捩じって,輪っかを作ります.
 

1の部分に捩じり用タングステン線(0.4 mm径)を,

2の部分にループ作成用タングステン線(0.2 mm径)をひっかけ,
 

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片一方を固定して,捩じります
 

もうこれ以上捻じれない、というところまで行けば,

ループ用タングステン線と同じ径の輪っかを持つアーウィンループができるわけです.
 

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コチラが捩じりに捩じったループの部分.

お次はこのループの先をピンセットの手でつかむ部分に挟み...
 

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えい

とおもむろにペンチでプレスします.
 

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そうしてできたのがコチラ
 

アーウィンループのループ部分が,いい感じでひしゃげてさらに径が狭まりました

そしてお次は,
 

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このような柄付き針を用意し,割り箸の先端に刺して,穴を開けます.
 

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その穴に接着剤をたらり.
 

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そして乾かないうちにループの反対側をくっつければ...
 

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完成です
 

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残り少ない(大学生にとっては)夏休みですが,

貴方もこのアーウィンループでメイオベントス観察を楽しんでみては?
 

続く.

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習④

 

京大実習レポート第四弾

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今回は軟体動物の解剖です
 

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まずは番所崎で貝(二枚貝はダメ)を採る
 

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水族館の取水口でも採る
 

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今回の目的は,貝類の歯舌の観察です.

体内にある歯舌をとりだすため,
 

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肉抜きという技術を使います.
 

要するに茹でて軟体部だけを殻から取り出すのですが,

実はこれが,形態観察,DNA解析の両方を行う上で優れた方法なのです.
 

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以前も紹介したマツバガイ(カサガイ)の軟体部.
 

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これは何かといいますと...
 

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コチラ!タツナミガイは体内に歯舌がないなあと思っていたら,
 

こんな風に唇みたいになっていた構造が,実は歯舌だったようで,

これを取り出して観察してみると,ちゃんと歯舌状のザラザラ構造がみられました.
 

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取り出した歯舌を,電子顕微鏡で観察.
 

この日はかなり遅くまで観察を続けたようです.
 

お疲れ様でした


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習③

 

気付けば九月も終わりです

白浜では今年最後の実習が始まりました
 

それらの報告も早くできるように,まずは京大の実習のレポートの続きです
 

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畠島から持ち帰った生物の鑑定.
 

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採集・鑑定した生物を毎度のごとく,黒板に書き出していきます.
 

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それぞれの分類群ではそれぞれの専門の先生がご説明.

朝倉先生がヤドカリの鋏について熱く語っておられます.
 

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私も棘皮動物の説明を担当しました.

毎回,説明するたびに自分が知らないことが見つかります.

棘皮動物学も奥が深いです.
 

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これだけの生物が見つかりました

毎度思うのですが,たった半日採集しただけでこれだけ見つかるわけですから,

専門家が集って本気の採集を行えば,どれだけの種数に上るのでしょうね.
 

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夕食は,今夏お世話になったまるかわさん.

お店の外のプレハブを貸切です
 

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みんなで和気あいあいとお食事.
 

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カツです

デミグラスソースにもひと手間かかっていて,とても美味でした
 

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ごちそうさまでした
 

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帰ってから,カメノテとフジツボ解剖です
 

節足動物は,体制がはっきりとしているので,

各体節と他の節足動物との対比ができて,見ていて飽きません.  
 

続く.


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習②

学会のお次は,京大実習のレポートです.
 

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久保田先生のプランクトン実習.

多くの海洋生物は間接発生を行うため,

親と子の形が全然違います.
 

こちらは,親と子のそれぞれの写真から,

親子関係をつなぎ合わせる作業中.
 

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おお,なかなか大きめのクラゲが採れたようです.

最近,久保田先生は田辺湾で採集されるクラゲを長年連載で紹介されていますが,

最近,そのまとめがご著書として発売されました.
 

「魅惑的な暖海おクラゲたち~田辺湾(和歌山県)は日本一のクラゲ天国~」

http://book.akahoshitakuya.com/b/4907841159
 

要チェックです
 

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翌日は畠島へGO
 

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天気にも恵まれました
 

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たまには畠島の風景をご紹介しましょう.

こちらは畠島北西部に位置する小丸島.

潮がよければ,この小丸島へも歩いて渡れます
 

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小丸島を超えて,その先の部分まで来ました.

画面右上に見えるポコッとした島は,

わが実験所の在る番所崎の先端の塔島です.
 

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途中の泥岩帯で,足元の岩を割ってみると...
 

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このような穴が開いています.なんじゃこら.
 

犯人はこいつコツブムシですね.
 

ダイオウグソクムシと同じ等脚類で,ダンゴムシの仲間です.

泥岩に穴を開けて巣にしているのですが,

瀬戸内海のある島では,彼らによる激しい穿孔圧のせいで,

島自体がなくなってしまったとか
 

小さいながら,島ひとつを消してしまう破壊力を秘めた巨虫です.
 

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他にも,穿孔性のホシムシなどもみられました.

一見何気ない岩場にも,実はいろんな生き物が暮らしているのですね.
 

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往路では渡れた道が,復路では水没しているのはよくあること.

皆さん長靴に水をたっぷり湛えて帰りましたとさ

続く.


ヒザラガイの歯舌

突然ですが
 
 

軟体動物の一部のグループは
 
 

歯舌という,読んで字の通り,人間でいうところの歯と舌の機能が合わさったような組織を持ちます.
 
 

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例えばカサガイを茹でると,軟体部だけがコロッととれます.

コチラは背中側です.
 

紐のように見えるのは,消化管でしょうか.

あンた,背中が煤けてるぜ.
 

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コチラは口側.
 

左上の頭部を切開すると線状のものが見えてきます.

これがカサガイの歯舌です.
 

同様に,ヒザラガイの仲間も,同じような線状の歯舌を持っています.
 

種によって違いますが,歯舌の表面はヤスリのようにザラザラしており,

これで岩などの表面を舐めるようにして,藻類などを食べているそうです.
 

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そしてこのように,歯舌を二つ並べてみました.
 

実はヒザラガイの歯舌には鉄分が多く含まれており,

磁石に反応するというので,その検証実験をしてみます
 

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磁石をそっと近づけると...
 
 

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!!!
 
 
 

くっつきました 
 

カサガイ(マツバガイ)の歯舌には全く反応しなかったため,

少なくともマツバガイのものよりは鉄分を多く含んでいるようです.
 

という,簡単な実験のお話でした.
 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習

2014年9月4日~10日にかけて,

京都大学の臨海実習+公開臨海実習が開催されました!
 

この実習では,8月に行われた実習の発展版として,

様々な採集方や形態観察法を駆使して,

個々の分類群についての理解をより深める事を目的としています.
 

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全国津々浦々からソルジャーたちが集まりました.

おや,見た顔がいますね.最近リピーターが多いような気がします.

いいことです
 

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まずは研究所内の説明の後に...
 

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朝倉先生による講義

「動物の分類と体制」
 

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そして,宮崎先生による顕微鏡の使い方の説明です.
 

これで実習の下準備はばっちり

さて,今回はどのような無脊椎ドラマが繰り広げれられるのでしょうか?
 

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ところで,今回は鳥の脊椎骨を髪飾りにしている

古生物女子が参加してくれました(手前の人です).
 

なかなかの猛者が集ったようですね
 

続く.