学会一日目の〆は,分類学会のシンポジウムでした.
「日本動物分類学会シンポジウム
分類学と古生物学の融合:
現生種と化石種による海産無脊椎動物の系統分類学的研究
藤田敏彦・岡西政典」
実はこのシンポジウムの演者兼オーガナイザーを務めておりました.
主オーガナイザーの藤田先生より,初めに演者のご紹介.
トップバッターは鳥取県立博物館学芸員の徳田悠希さんです.
単体サンゴという,群体にならないサンゴに主に焦点を当て,
環境復元や系統進化まで,幅広い研究を展開されています.
次は広島大学学振PDの田中隼人さんです.
化石記録が残りやすい,貝形虫という微小な甲殻類を研究されています.
この生物に焦点をあてつつ,Paleobiologyについての話題も提供してもらいました.
三番手は豊橋自然史博物館学芸員の芳賀拓真さんです.
ニオガイという,木材や石などに穿孔する二枚貝の系統進化を研究されています.
とにかく芳賀さんは貝に詳しい方で,
研究対象への愛を余すところなく伝えてくださいました.
手前味噌ながら,トリは私でした.
恐らく今回の演者の中では最も古生物学的なバックグラウンドが少ないのですが,
現生生物を扱った分類学者の視点から,
古生物学に代表される他分野を意識した研究を展開する意義についての発表をしたつもりです.
思いのほかたくさんの方々にご参加いただき,
活発に議論を交わしていただきました.
シンポジウムにご来場いただいた皆さん,
そして演者の皆さん,本当にありがとうございました