Skip to content

2014年3月2日~8日「海産無脊椎動物分子系統学実習」

海産無脊椎動物分子系統学実習⑩

長きに渡る分子系統実習のレポートも、いよいよ最後です!

IMG_1308

ついにシーケンスの結果が返ってきました。

解析用PCで慎重にデータを整理します。

IMG_1327

データ解析中。

四苦八苦しながら自分で系統樹を構築していきます。

一番ドキドキする瞬間ですね!

IMG_1361

キレイにアライメント(塩基配列の整列)ができました!

実はなにげに時間のかかる作業です。

IMG_1354

 系統樹ができあがりました!

さて、この系統樹にはどんな意味があるかな?

系統学や生物地理学は、分子系統解析の登場以後、大きく変わってきました。

 しかし、分子系統学的手法は、あくまでもツールの一つにすぎません。

得られた系統樹やハプロタイプネットワークの意味するところは、

解析対象とした生物の分類や生態に秘められています。

DNAだけをみて、

生物そのものの観察を怠っては、結局は何も得られません。

今回の実習では、そのようなことも

学んでもらえる良い機会だったのではないでしょうか。

IMG_7837

 真面目な話はそれくらいにしておいて、

打ち上げ開始ッ!

IMG_7860

乾杯!

…の前に、隣の学生がぼそっと一言

「今日から、お酒が飲めるんだ…」

なんとこの日が誕生日だったそうです!

早く言えばケーキも買ってきたのに!笑

IMG_7865

瀬戸実習名物教員お手製料理①

宮﨑先生お手製の「アサリのパスタ」

IMG_7838

その②

中野先生お手製の海鮮味噌汁。

美味しい料理と美酒に酔いしれ、

実習最後の夜は更けていきましたとさ。



というわけで、長きに渡った分子実習レポートですが、

これにて終了!

3月はまだまだ実習ラッシュだったので、今後、少しずつアップしていきます!


海産無脊椎動物分子系統学実習⑨

座学もたくさん行われましたよ!

私も講義を行いました。

IMG_1080

「テヅルモヅルの分子系統」

私の専門のテヅルモヅルの分子系統解析と、

ちょこっと腕の分岐の進化についての話をしました。

IMG_1265

宮崎先生のお話

「コスモポリタン種(?)フタツメイソウミグモの系統、分類、進化に関する話題」

今回の実習の研究対象であり、

今年卒業したもっちーが専門にしていたフタツメイソウミグモについて、

愛弟子の研究成果も踏まえて熱く語ってくださいました。

IMG_1246

久保田先生はベニクラゲについて語ってくださいました。

「不死のベニクラゲと早死のカイヤドリヒドラクラゲの分子系統と形態の関連」

あまり知らなかったのですが、ベニクラゲの遺伝子情報ってそれなりに蓄積されているんですね。

ウェブ上の情報だけでも面白い系統樹がかけたそうですよ。

IMG_1211

朝倉先生の話題

「海洋生物にとって種とは何か?」

種概念という、生物学の根幹にありながら、

未だに解決されれていない大問題について、

問題提起も含めつつわかりやすく解説してくださいました。

IMG_1306

大和先生の「田辺湾の動物相の変遷」

田辺湾は瀬戸臨海実験所でも創立からずっと調査されていて、

長期間にわたる調査データが蓄積されています。

この田辺湾の研究の歴史や、環境の変化と生物相の変遷の歴史についてをお話いただきました。

IMG_7823

この日は座学づくしでしたが、実習生たちは真面目に取り組んでくれましたので、

ご褒美(?)の温泉です!

しっかり疲れを癒して、明日もまた頑張りましょう!


海産無脊椎動物分子系統学実習⑧

磯採集で採れた生物シリーズ!

IMG_1015

まずナガウニ。あなたには何種に見えますか?

IMG_1051

フウセンウミウシ。

とあるタイドプールに群生していたそうです。

IMG_1160

クマノアシツキ。

漢気溢れる名前のゴカイです。

IMG_0898

ちょっとわかりにくいですが、手前にいるのがベッコウヒカリウミウシでしょうか。

赤いですねー。

IMG_1168

オニカサゴの風格たるや。

IMG_1121

麻酔がかかったアカクラゲ。

効果てきめんですね。だらーん。

IMG_1129

中野元帥の秘蔵カサガイコレクション!

ご覧下さいこの大きさ!

メガネをかけた男の子がもっているのが、カサガイの殻なんですよ!

IMG_1137

 思わず研究員もパシャリ笑

生き物好きにはたまらない一日でした。

 

 

 

 

 


海産無脊椎動物分子系統学実習⑦

この日は朝から磯採集で収集した生物の同定&標本作りです!

IMG_0911

貝類図鑑を片手に同定中。

IMG_0889

どんな生き物が採れたかなー?

IMG_0922

またもや貝の同定中。

分類の難しいアクキガイ類に挑戦!

IMG_0927

元帥は貝類のプロフェッショナルでもあるのだ!

IMG_0947

同定ができたら、次は標本作成です。

IMG_0977

先生と研究員がディスカッション中。

我々が見ても、まだまだわからない生物はたくさんいます。

IMG_1064

見よ、この表情。

この実習一番の成長頭です。

IMG_1072

みなさん、たくさん標本を作ってくれました。

中野元帥もこの笑顔です!

今年度に作成した標本は、来年度に解析する予定です。

こうして知の継承が行われることで、少しずつ番所崎の生き物についての謎が解き明かされると良いですね。


海産無脊椎動物分子系統学実習⑥

磯採集後、実験の合間にシーケンスデータ解析用のソフトウェアの演習。

IMG_0706

DNA配列の解析のためには、解析用ソフトウェアの習熟が必要不可欠です。

IMG_0754

おや、准教授の久保田先生も実習に?

ベニクラゲの解析をしてみたいんですって!

IMG_0759

更に、宮﨑先生によるウミグモの講義も。

ウミグモは、節足動物門狭角亜門に属する分類群で、

全ての節足動物の祖先的なグループと考えられた時期もありました。

今ではクモ類と共にひとつのグループを形成していますが、

分類、生態などの基礎的な部分も明らかになっていない、謎多きグループです。

IMG_0783

中野元帥によるカサガイの講義です!

元帥は世界中からカサガイを集め、分子系統解析を中心とした様々な技法で、

その進化史を地球規模で明らかにする研究を進めておられます。

IMG_0832

磯で採れた生物シリーズ①

「オニカサゴ」なんとタイドプールに居たところを学生が発見しました。

棘に十分注意しつつ撮影。

彼は隣接する水族館に引き取られていきました。

IMG_0845

シリーズ②

イボニシにひっつく2個体のワレカラ。

普段は海藻にくっついて擬態しているのでしょうが、

この状態ではむしろ目立っていますw

IMG_0863

シリーズ③

クモヒトデも採れました!

この赤い個体は「アカクモヒトデ」かと思われます。そのまんまですね。

普段は少し深い所にいるはずですが、冬場は浅瀬にも進出出来るのでしょうか。

IMG_0876

図鑑とにらめっこしながら同定(種の名前を調べること)中。

こうしてあーでもないこーでもないと悩みながら生物を調べることで、

膨大な種の多様性を理解してもらうことが、

臨海実習の一つの大きな意義でしょう。

まだまだ続く。


海産無脊椎動物分子系統学実習⑤

 

 

さてさて、磯観察だけでなく、この日も勿論実験ですよ!



IMG_0437

実験前にパシャリ。

IMG_0444

先日のPCRの結果確認です。

標的配列の増幅を確認するための非常に重要な作業ですよ。

IMG_0469

DNAの確認は、ゲル電気泳動法によって行われます。

DNAは負に帯電しているので、水槽の中で電気を流してやれば、正電極に移動していきます。

この時、正電極との間にゲルを用意してやると、ゲルの網目構造の中をDNA断片が移動していきます。

これを電気泳動といいます。

長い断片は網目をくぐりにくく、短い断片はくぐりやすいため、

断片の長さによって、同時間電気泳動した場合のゲルの場所に差が出てきます。

この差を利用してDNAの断片長を測るのです。

IMG_0537

ゲルに穿いた穴の中にDNAを入れる前の準備作業。

パラフィンの上でDNAと、泳動バッファーを混ぜます。

IMG_0549

そしてゲルにアプライ!

集中力を要する作業です。

IMG_0562

元帥の指示を仰ぎ、各自ゲルアプライに挑戦中!

IMG_0596

電気泳動槽のスイッチ・オン!



IMG_0630

結果確認です!

うまくいっていれば、ゲルにDNAのバンドが映ります。

結果は上々でした!

これでシーケンス外注ができます!

IMG_0665

分子実験秘密道具その③、ピペットマン

数μの実験試薬を混ぜあわせるには、これが無いと始まりません。

IMG_0696

最終日のプレゼンに備え、この日も遅くまで準備に勤しんでいました。


海産無脊椎動物分子系統学実習④

実習三日目、今日は磯でサンプル収集です。

SMBLではシーケンスを外注していて解析に時間がかかるので、

実際のサンプルを採集してから実験を始めていては間に合いません。

そこで、変則的に次年度分のサンプルを前年度に採集するという方法をとっています。

IMG_7675

いざ、実験所から北浜へ。

IMG_7680

天候に恵まれました。

ちょっと風はありますが、潮も引いて採集日よりです!

IMG_7685

海岸で何かを発見!

これは…干上がってしまったアカクラゲでした…。

この時期は打ち上がってしまうクラゲも多いようです。

IMG_7689

SMBL周辺の環境を説明する宮﨑先生。

今回なぜ宮﨑先生にご同行いただいたかというと、

この辺りの転石下にくっついているウミグモを採集するためでした!

写真はないのですが、よく目を凝らすと、驚くほどたくさんのウミグモが採れました。

IMG_7696

タイドプールでアカクラゲ発見!

元気に体を動かしていました。

IMG_7706

元帥による生物の帯状分布(Zonation)の説明。

生息環境の異なる生物が、潮の高さに合わせて、

それぞれの分布パターンを帯状に展開させている様子がよく観察できます。

IMG_7708

いつの間にか、海藻が繁茂していました。

春の訪れを感じます!

IMG_7726

今回の解析ターゲットのイボニシ発見!

イボニシには、成長すれば殻高が2-3 cmになり、殻の結節が尖って円錐形(conical)になるC型と、

殻高は成長しても2 cm程度で、結節が乳頭状(papillary)になるP型の2生態が知られています。

SMBL付近にはこのC型とP型の同所的な生息が確認されます。

今回の実習では、分子系統解析によってこの生態型の違いが遺伝的にも裏付けられるか見ようとしています。

IMG_7727

他にもたくさんの生き物が見られます。

岩の表面を多い尽くすこともある「ヤッコカンザシ」の大群。

青白く、尖ったのが全てヤッコカンザシの棲管です。

IMG_7738

これは、移入種のタイワンアカフジツボではないでしょうか。

IMG_7740

これは、千徳博士の研究対象のイボヤギですね。

褐虫藻を飼っていないので、光に頼らず成長できるのだとか。

しかもこのように、干出しても平気なタフガイです。

IMG_7743

タイドプールにアメフラシが!春の訪れを告げてくれる生き物の一つです。

IMG_7746

i phoneのパノラマ昨日で番所山の裏側を撮影。

真ん中の階段がいつの間にかリニューアルされて登りやすくなっていました。

南方熊楠記念館にご訪問の際には、この階段から海岸に降りて、

海の生き物も見ていってくださいね。


海産無脊椎動物分子系統学実習③

実習二日目。

基礎技術を習得し、いよいよ実習開始です!

 

IMG_0265

まずはサンプル選び。

今回の実習ではウミグモ、ナガウニ、イボニシ、ベッコウガサを解析対象にしました。

 

IMG_0271

M2のもっちーが修論で集めたフタツメイソウミグモのサンプル。

どうも伊豆と下田のに地域と、寄生・自由生活性の生態型があります。

果たしてこれらは別種なのか?

 

IMG_0296

元帥の教えを受けつつ、いよいよ実験開始です。

 

IMG_0309

大きめのナガウニは、取り出すのにも一苦労。

 

IMG_0318

例によって、メガネを装着してのウニの解剖です。

 

IMG_0411

元帥の的確な指導を受けて、学生たちの実力がメキメキとアップしていきます!

取り出した生物の組織を、タンパク質融解酵素と混ぜている所です。

 

IMG_0384

成長の喜びがよく表れていますね~。

 

IMG_0393

分子実習秘密機器その一、「ヒートブロック」

これがなくてはタンパク質融解やヒートショックは始りません。

 

IMG_0359

1.5 mlチューブをセット!

 

IMG_0337

次はDNAの抽出とPCRです。

皆さん、大分分子機器の扱いに慣れてきたようです。

 

IMG_0395

分子実習秘密機器その二、「サーマルサイクラー」

この箱の中は、温度が一定のサイクルで変わるようになっています。

これで様々な設定条件の温度を繰り返すことによって、人工的にDNA複製を行うのです。

 

IMG_0416

 

サーマルサイクラーにチューブをセットして、今日の実習はおしまい!

明日はいよいよPCRの結果がわかりますよ!

 

続く