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2014年8月6日~13日京都大学臨海実習第一部,第四部+公開臨海実習

京大実習(一部,四部)+公開臨海実習オフショット集

関西学院大学の実習が,今日終わりました
 

そちらの写真もだいぶ溜まっているのですが,

まずは京大実習オフショット集です
 

今回もなかなか愉快な写真がたくさん撮れておりました.

その①
 

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OLYMPUS DIGITAL CAMERAフィールド移動中に他の車とはぐれて,

先の方の様子を見に行って帰ってきた大和先生でした

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その②

干潟でさっそうと歩く三年生のO塚君.

干潟二回目(3月の実習のリピーター)だけあって,

なかなかの足捌き.
 

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その③

久保田先生が撮影してくださった,干潟実習の風景.

全然気づかなかったのですが,いつの間にか久保田先生がいらっしゃっていて,

橋の上から激写してくださいました.

こうしてみると泥んこ遊び中にも見えますが,

実際に干潟を歩くと,結構大変なんです


 

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その④

磯歩きで学生が集めた貝シリーズ,

ハナマルユキ,ハルシャガイ,タガヤサンミナシ,ヤクシマダカラ,カタベガイなどなど.

海岸に打ち上げられたものだけでもかなりの種類が確認できます.
 

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その⑤

発生に使ったタコノマクラを解剖した強者あり

他の正形ウニと違い,かなり殻が厚く,ペンチで割る必要がありました.
 

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そのタコノマクラのアリストテレスのランタン(顎).

意外なことに,かなり大きく強固な顎を持っています.
 

海藻ではなく砂の中の有機物などを餌にしているのに,

なぜこんな顎が必要なのでしょうか.

体の骨格を維持するために,顎も支持組織として発達したのではないかという意見に落ち着きました.
 

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そして最後はコレ.ハマガニッのスケッチです
 

ハマガニッを捕まえた学生が,あまりにハマガニッを気に入ってしまったために,

渾身のスケッチを書き上げてしまいました.
 

彼のハマガニッへの愛情が伝わります.
 

スケッチしたハマガニッは,無事に元の場所に返されました.

※この表現は,実験所OBの藤本・メイオ・心太氏が

瀬戸ブロに寄稿してくれた記事を存分に参考にしました.


 

ということで,京大実習レポートおしまい!

お疲れ様でした!


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑧

京大実習レポートいよいよ大詰め
 

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この写真を覚えておいででしょうか?
 

自由課題実習です.
 

実はこれまでの実習に他の人たちが取り組んでいる間に,

滋賀県立大の杉本君が,

「潮間帯の岩礁や転石帯において,波や乾燥などの環境要因が,

貝類の分布に及ぼしている影響についての考察」

というテーマに取り組んでいました.
 

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鳥の巣,番所崎など数地点でコドラート・ライントランセクト調査を行い,

干潮時の海岸線から約1m 間隔で潮上帯まで50 cm四方のコドラートをとりました.
 

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得られたデータを解析中.

地点ごとにシャノン・ベイナー多様度指数(H’)や

類似度を算出しています.
 

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結果発表
 

台風の影響であまりたくさんデータが採れなかったので,

中野先生のコドラート調査のデータもお借りして比較に用いました.
 

分布図を書き,多様度などを地点ごとに比較したところ,

波あたりが強い場所では生物の多様性が高そうだ,

という考察に至りました.
 

そもそも生物学では,どうしても厳密なデータを採るのが難しいため,

たくさんのデータを採り,統計学的に処理することでその傾向を見る,

という手法が多くとられるます(特に生態学のような分野では).
 

台風でデータが得られなかったという原因はありますが,

今回はやや解析だよりになってしまったかもしれません.
 

例えば,分布図を書いてみた時点で,

肉食の捕食者のイボニシやシマレイシガイダマシ(巻貝)の分布と,

被食者のクログチガイ(固着性二枚貝)などの分布に,

ある程度の重なりがみられることがわかりました.
 

これを新たな出発点とし,

干潮時と満潮時での巻貝の挙動の違いや,

実際の捕食行動や捕食数から推測される捕食圧などを地点ごとに調べると,

さらに面白いことがわかったかもしれせん.
 

そして,新たに得られたデータを基に多様度や類似度を検定できれば,

解析をさらに「有意義」なものにできたでしょう.
 

また来年度,新たなチャレンジャーがこの謎を究明してくれることを祈ります
 

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実習の最終日は恒例のBBQ大会
 

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白浜の海の幸をたっぷりと堪能してもらいながら,

海洋生物談義に花を咲かせ,夜が更けていきましたとさ.
 

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一夜明けて,本当の最終日.

最後に宿舎と実験室の掃除をして,気持ちよく家に帰りましょう

こんなにピカピカにしてくれました!
 

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最後に白浜水族館をバックにパシャリ.
 

皆さんお疲れ様でした


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑦

さて,いよいよ佳境に近づいてきた京都大学の実習レポートです
 

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干潟の生き物をいざ同定



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今回注目のクリーチャーはこいつ

ハマガニです

なんでも本州でみられるのは非常に珍しい芦原性の種だそうで,

芦原の減少とともに個体数も減ってきているのだそうです.
 

興味のある方は「ハマガニ」で検索してみてください.

いろいろ絶滅危惧に関連したウェブサイトが引っかかってきますよ
 

ハンティング能力に長けた学生により捕獲されました
 

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干潟で採集された生物.こちらもかなり種数が多く,なんと計63種に上りました.

みなさんの採集努力に脱帽です
 

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干潟のお次は久保田先生によるプランクトン実習です
 

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専用ピペットの作り方解説中.

非常に小さなプランクトンをうまく海水からピックアップするためには,

先の細いピペットを使う必要があります.
 

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まずプラスチック製のピペットの先を火であぶって溶かします.
 

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そしてこう!
 

溶けた部分が固まらないうちにピンセットでつまみ,

びろーーーん

...と伸ばします.

あとは冷めて固まるのを待ち,細くなった部分を鋏で切ればOK
 

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 実態顕微鏡で観察中.

毎度おなじみ田辺湾から,今回は何が採れたのでしょうか?
 

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おお,プルテウス幼生が採れました

腕の長さからしてクモヒトデの幼生でしょう.
 

台風の影響か,普段に比べると生き物が少ない印象でしたが...
 

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こんなものが採れました
 

なんと内肛動物の幼生の可能性が高いということです
 

おしりに一対の針状の構造を持っているのが特徴とのこと.

勿論,白浜周辺でも成体がみられるのですが,うーむ幼生は初めてみました.
 

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台風で外洋性生物の観察の機会がなかったので,

浜に打ちあがったプランクトンを観察するついでに,番所崎にも磯採集にきました.
 

打ちあがったペットボトルに,エボシガイというカメノテの仲間が付着していました.

これも広い意味ではプランクトンと言えるでしょう.
 

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激しい波に晒されたせいでしょう.しっかりと岩に張り付いているカキも,

一部はがされてしまったようです.台風の脅威を感じます.
 

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急遽敢行した磯採集だったのであまり潮の条件がよくなく,満潮に近い状態です.

いつもは余裕で通れるところが,水浸し状態

普段みる干潮とは違った景色でした
 

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 いつもハネウミヒドラがみられるタイドプールがなくなっていました

いつもは小高い丘も,このように孤島に.

磯観察での潮位の重要性を改めて理解しました.
 

続く.


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑥

発生実習の次は,干潟にやってまいりました
 

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まずは干潟下流の用水路にて観察.

朝倉先生の説明が終わった後...
 

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わら...
 

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わらわら...
 

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あっという間に岩礁に食らいつくソルジャーたち.

生き物への愛情があふれています.
 

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そしてお次は干潟にやってまいりました.

いい具合に潮が引いて,泥干潟になっています.
 

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なかなかの日照りでした.暑い
 

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 麦わら帽子に長靴,これが磯観察の基本スタイルです.

これに,軍手というオプションを付ける場合もあります.
 

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段々と川の上流に遡っていくと,分布している生物も少しずつ変わっていきます.
 

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ほぼ川のような状態になってきましたが,

それでも下流の干潟で見られたチゴガニなどがみられました.
 

こういった種は生息場所の塩分濃度が一日で劇的に変化するため,

幅広い塩分変化に対する耐性(広塩性)を持っているということです.
 

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またしてもi phoneのパノラマ機能を使ってみました.

天気も恵まれており,ここでもかなりたくさんの種を採集できました.
 

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ドロドロになった長靴を洗っておしまい
 

お疲れ様でした


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑤

 ナマコの卵成熟方法
 

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このように,謎の液に卵を浸し
 

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十分ほどしたら,スポイトで丁寧に液を海水に置換するだけ.
 

では,その液とは!?
 

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こちらです.ジチオトレイトール(DTT)溶液です.
 

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コチラを適当な濃度に調整し,冷凍庫で保管しておきます.
 

最終的な使用濃度は1 mMなので,

スペース確保のため,今回はその十倍の10 mMに調整した液を保管しました.
 

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こちらが処理前の卵.小さく映って見にくいかもしれませんが,

卵の中に.未成熟であることを示す大きな卵核胞と呼ばれる丸い構造が見えています.
 

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DTT溶液に曝すことで卵核胞が崩壊して見えなくなり(減数分裂が進み),

受精可能な状態となります.ちなみに,周りに群がっている小さな粒粒は精子です.
 

この精子の形も,ウニのものとは少し違います.
 

後はウニと同様に環境を整えながら,発生観察を行います.
 

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本実習ではもう一つ,ウニの掛け合わせ実験も行いました.
 

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その名の通り,様々なウニの精子と卵を採りだし,

総当たりで掛け合わせるというものです.
 

コチラはタコノマクラの採卵中.
 

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こちらは,各ウニ(ツマジロ,ムラサキ,コシダカ,ガンガゼ,タコノマクラ,ラッパなどなど)

から採取した精子の懸濁液です.
 

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今回は,ほとんどすべてのウニが放精,放卵してくれました

それぞれ掛け合わせの担当を決めて,結果を考察してもらいました.
 

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実験のあとはみんなで後片付け.
 

洗って干場に置くまででなく,元の場所に戻すまでが片づけです
 
 

勿論,すべてをいちいち洗った後に拭いて戻す必要はありませんが,

自然乾燥しにくい形状のものや,乾きかけのものは拭いておくと,

後の片づけが楽になります.
 

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夜中にそっと実習室を除いてみると,たくさんの学生がレポートに取り組んでいました.
 

今回の掛け合わせでは,受精の可否,発生段階の違いなどなど,

様々な興味深い結果が出たようです.
 

それぞれのウニの生息環境や系統関係を考慮すると,

面白いことが分かりそうですね

いいレポートがかけることを期待しています.
 

続く.


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習④

京大実習レポートももう第四弾です.

付着生物実習の次は,発生学実習です
 

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講師は毎度おなじみ,宮崎先生です.

詳しい事前解説の様子は,これまでの実習の様子をご覧下さい.

今回は実践の様子をかいつまんでレポートいたします.
 

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ウニを散髪(棘)中.棘が飛んで目に入らないよう,ゴーグルで完全防備
 

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配偶子誘発物質(塩化アセチルコリン)を注射したウニを観察中.

雌であれば,生殖孔(反口側にある)が水につくようにして,卵が容器の底にたまるのを待ちます.
 

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採卵を観察中.なぜこのように,卵同士がくっつかずに,

一様の間隔で配置されるのか?気になったあなたは公開臨海実習に参加しましょう

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お次はナマコの発生実習です.

ナマコは,ウニのような薬品による放精抱卵の誘発が困難です.

そこで,このようにある方法でナマコの生殖腺を吐き出させます.
 

解剖によって精巣・卵巣を取り出すこともできますが,

とある方法で無傷(?)で吐き出させることができます.

気になったあなたは公開臨海実習に参加しましょう!
 

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赤いソーメンみたいのが取り出されました.

これは色からして卵巣ですね.このように,ピンセットでしごいてやると...
 

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赤い小さな粒粒をとりだすことができます.

これが卵です
 

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そしてこちらはクリーム色をした精巣です.

これもハサミ等でチョキチョキ切ってやると,精子を取り出すことができます.
 

では,あとはウニのようにこれらを混ぜ合わせておしまいかというと,

実はそう単純なものではありません.
 

ナマコの卵は,成体内では卵形成が減数分裂の第一分裂前期でブロックされています.

この状態では受精能力がなく,いくら精子の懸濁液と混ぜ合わせても受精は起こりません.
 

自然状況下では,温度変化などの環境変化を感じ取ったナマコが

体内で卵成熟を進め,放卵を行うのですが,

実験室での誘導はなかなか大変で,確実とは言えません.
 

そこで,本実習では「ある方法」によって,ナマコの卵を実験的に成熟させます.
 

その方法とはなんなのか?
 

ふふふ,気になってきたでしょう.
 

続きはまた明日
 
 
 
 

...余談ですが,ウニの卵はこのような方法を用いずとも,

放精,抱卵させた配偶子を混ぜ合わせることで簡単に受精させることができます.

このように,生殖期に配偶子が成熟状態で体内で待機している動物は実は少数派です.

ウニが古くから発生実験に使われてきた所以と言えるでしょう.
 

他にも,
 

・採集が容易

・放精・抱卵を簡単に誘発できる

・卵が大きく観察しやすい

・一年中,生殖期の種採集できる(場所によりますが).
 

などなど,実はウニは発生実験において,

唯一無二と言えるほどの優れた実験材料なのです.
 

と,何気なく棘皮動物アピールをしておきます


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習③

真夏の京大は実習まだまだ続きます
 

瀬戸臨海が誇る高速型多機能調査船「ヤンチナ」の係留港にやってまいりました.
 

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設備の説明中.黄緑の鉄枠は「Aフレーム」と呼ばれ,

ドレッジなどの重量物を船上に引き上げるのに大変役にたちます.
 

何度もこれにお世話になっております.
 

台風避難のために湾に多数の船が入り込んでヤンチナが出港不可につき,

本来予定していた畠島渡航は断念と相成りました.
 

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しかしそこは百戦錬磨のSMBLスタッフです

係留物に付着する生物を観察するという代案を繰り出しました
 

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船を係留しているロープなどには,驚くほど多数の生物が付着します.
 

ちなみに,これは以前紹介した筑波大学の中野先生が,

平板動物を採集するためのガラス板を入れておいた買い物かごを沈めておいたものです.

海中に入れて1年はんほど経っていますが,かごであった形跡は微塵もみられませんね.
 

ほとんどが海藻,コケムシ,ヒドロ虫,ホヤなどで,ゴカイの棲管なども

この光景の形成に一役買っています.
 

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タイヤやロープなど,様々な係留物から生き物を採集してもらいました.
 

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採集物の解説中.磯観察ではどうしても動くものばかりに目が行ってしまうのですが,

固着物だけを見るというのも,なかなかどうして面白いものです.
 

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コケムシの群体をモニターに映し出しました.
 

採集当初は虫室に引っ込んでしまっていたのですが,

しばらくすると安心したのか,ほとんどの個虫が元気に顔(触手)を出してくれました.
 

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たくさん採れたシロボヤを解剖してみました.
 

はじめに小さな個体を真っ二つにした際には何がなんだかわからなかったのですが,

複数の個体を捌いているうちにだんだんと構造が分かってきました.
 

体内の鰓の構造,胃の位置,さらには口と肛門と,入水孔と出水孔の位置関係など,

大変興味深く勉強させてもらいました.
 

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観察の合間に水族館を解説.

白浜水族館の誇る無脊椎動物ラインナップをとくとご覧あれ.
 

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付着生物実習のまとめです.前日に引き続き,様々な生き物が採れました.
 

「動かない」とう一見不利な生活を行いながら,食う,寝る,子孫を残す,などの生活の必須要素を

どのように達成しているのかを考える,良い機会になったのではないでしょうか.
 

続く.

 


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習②

京大実習のレポートです
 

最初の実習は付着生物観察です.
 

多くの動物はその名のとおり「動」いて生活しています.
 

ところが,中にはフジツボやイソギンチャクのように,「動かない」という生活を選択したものがいます.

それらの付着生物にターゲットを絞り,その生態的な意義を考察してもらうのが目的です.
 

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講師は大和先生.

調査地の説明中.


 

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台風の接近に伴い,実験所近くは荒天につき磯観察ができなかったので,

普段は来ない,内湾の鳥の巣という場所に来ました.
 

堤防の向こうが観察地ですが,流石にこの高さは降りられません
 

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ということで少し離れた階段から歩いて磯に向かいます.
 

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台風の影響はありましたが,まだ雨は降っておらず,

青空も垣間見えました.
 

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こんなコンクリートの棒の橋を渡ります.
 

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田辺湾の景色を説明中.

普段は遠くに望んでいる神島が近くに見られました.
 

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公開臨海実習の自由課題用のコドラート調査中.

このような方形枠を何地点かでとり,その中の生物相を

地点ごとに比較するという伝統的な方法です.
 

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例のごとく,持ち帰った生物を図鑑で同定中.

図鑑の使用方法も,臨海実習の重要な教育事項です.
 

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バットの中で,何やら小さな黒い粒が蠢いています.

こんなものは採っていなかったはずですが...
 

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黒い粒をモニターに映してみました.
 

なんとこれらは,ゾエア幼生と呼ばれるカニの赤ちゃんでした
 

お母さんガニはお腹に卵を抱えて,孵化するまで育てます.

採集された際の刺激で,ゾエア幼生が孵化してしまったのかもしれません.

(もちろん自然に孵化した可能性もあります)
 

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む,このコンビは.

TAの小泉君と,3月の実習に来ていた大塚くんの感動の再会です.

詳しくは3月の実習報告をご覧下さい.
 

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Nahraさんも磯の生物に興味津津

タンタ大学では軟体動物の生物学を専攻していらっしゃるそうです.
 

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イソギンチャクが,槍糸と呼ばれる防御用の刺胞を備えた糸を出していたので,

河村博士がモニターに映し出して解説中です.
 

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指示棒で指しているのが刺胞細胞ですね.

さすが防御用ということで,長い刺胞が発射されている様子が観察できました.
 

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最後に,採集された生き物を黒板に書き出しました.
 

なんとその数60種!
 

これは生物が豊富な畠島実習での採集数に迫ります.

学生のみなさんの採集努力の賜物ですね.
 

次は,漁港などの係留物に付着した生物を観察しに行きます
 

続く.

 


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習①

2014年8月6日~13日にかけて,

京都大学の臨海実習(一部,四部)+公開臨海実習が開催されました.
 

臨海実習一部は,

海洋生物学の基礎を学ぶことを目的とし、乗船・磯での海産無脊椎動物の観察や採集、さらに各種顕微鏡によるプランクトンの観察やウニ類の発生観察などを行う。

事を目的とした実習です(京都大学シラバスより)

今回は12名が受講してくれました!
 

臨海実習四部はいわゆる自由課題実習で,実習期間中に自ら研究テーマを決定し,

データの収集,解析,発表までの一通りの研究の流れを習得してもらう実習です.

公開臨海実習も自由課題形式で,全国の大学生が受講可能です.
 

第四部の受講者はいなかったものの,

滋賀県立大学の学生一名が公開臨海実習を受講してくれました。
 

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京都大学の2年生が多めです.

将来の海洋学者の芽をここで育みたいものです。
 

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瀬戸臨海側の挨拶.

一番左のピンクの服を着た方は,エジプトのタンタ大学から瀬戸臨海に「外国人共同研究者」として来られている,

Nahra Omran准教授です.
 

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一週間お世話になる宿泊棟の説明.

おや,なんだか見た顔がいる気がしますが...きっと気のせいですよね.
 

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避難経路の説明のついでに,公園化した番所山に登ってみました.

入道雲と青空のバランスが夏を感じさせます。

この後白浜はすさまじい暴風雨に襲われます.
 
 

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宮崎先生によるウェルカム講義.

海洋生物の多様性に関するお話です.本来は朝倉先生の担当ですが,

大学院入試で不在のため,宮崎先生がピンチヒッターを引き受けられました.
 

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河村博士による顕微鏡の説明.

こちらも本来は宮崎先生のご担当ですが,先の講義の後に大学院入試に行かれたため,

河村博士がピンチヒッターで引き受けられました.
 

瀬戸臨海実験所実習担当の層の厚さによってなせる玉突きピンチヒッター術です。
 

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 みなさん大変丁寧に顕微鏡を扱ってくれました.

これから一週間をともにする相棒です.
 

さあ,真夏の実習が始まります。