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2014年6月13日~15日日本動物分類学会大会

若手分類学者の集い②

命名規約の輪読会は,主にこちらの部屋で行われていました.

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北は北海道,南は白浜(私ですね)から集った輪読戦士達です.

研究対象も,海産無脊椎動物から陸産の昆虫,アンモナイトと,現生化石問わず多様でした.

また,なんとこの間入学したばかりの学部の一年生も勉強に来ていました.

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そんな中で,異彩を放つ学生が一人.

広島大学が生んだ奇才,自見直人くんです.

ご覧ください,“No polychaeta No life”Tシャツです。

「多毛類なくして人生なし」

※多毛類…ゴカイなどを含む環形動物の仲間.体の各体節に疣足と剛毛をもつ.

この覚悟は見習わなくてはいけません。

ちなみに彼は,今月末瀬戸に来所の予定です.

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そんなこんなで内容の濃い二日間が終わりました.

終わったあとはみんなで打ち上げ。

命名規約の話や,各人の研究の話で盛り上がって,みんな仲良くなっていきます.

このあと,それぞれの場所へ帰って行きました.

さらに科博で調査予定だった私は,そのまま筑波に残りましたとさ.


若手分類学者の集い

動物分類学会が終わった直後,

若手分類学者の集い主催の,

動物命名規約の輪読会に参加してきました。

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科博からほど近い,筑波研修センターにて行われました。

実は毎年,輪読会の開催場所探しには苦労するのですが,

さすが科学の街つくばですね.研究場所には事欠かないようです.

こんな風に団体名が表記されると,なかなか風格が出てくる気がしますね。

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分類学会からそのまま参加するもの,

この勉強会のために集まったもの,

学生から研究員までさまざまな(気持ちが)若手14名が集いました。

こちらはサンプルのやりとり中.

分類学者が集うと必ずこういうことが起こります.

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JAMSTECの伊勢戸さん,東大の瀬尾さん,早稲田大の生野さん.

ここには写っておりませんが,科博の神保さんが今回の世話人を引き受けてくださいました.

感謝です。

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輪読を行うにはまず体力から。

ということで,挨拶もそこそにお食事タイムです.

研修センターは三食付きです.

安心して勉強に励めます。

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こちらが輪読会のスケジュール.

ご覧のとおり,なかなかのハードスケジュールです.

本輪読会では,全員が完全に規約が納得できるまで,

時間を忘れてあーだこーだと議論を続けるのです.

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各規約の担当者が作ったレジュメ.

それぞれが規約と格闘した汗と涙の結晶です.

これが手に入るだけでも集った価値があるというものです.

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食事と入浴後も輪読は続きます.

時には議論が白熱することもあり,

非常にアカデミックな雰囲気です.

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みんなで和気あいあいと語り合いながら,

輪読の夜は更けていきましたとさ.

続く.


日本動物分類学会⑥

さてさて,もちろん懇親会だけではありません.

分類学会では,さまざまな人が,

いろんな興味深い発表をされていました。

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功労賞を受賞された,京大の中野さんの発表.

「本州産クガビル属の一未記載種について」

彼はクガビルという研究の進んでいないグループの分類を精力的に行っていて,

いつもシンパシーを感じてしまいます.

今回は,小型のクガビルについての話を聞かせてくれました.

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琉球大学の吉田さんの発表

「沖縄県産フクロムシ属の未記載種とPeltogasterella aculcataとの比較」

うみさわ会でも話を伺いましたが,

フクロムシは形態が非常に退化的な節足動物で,

よくこんなに寄生に特化したものだと,

いつも興味をそそられる生物です.

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東京大学の広瀬雅人先生の受賞記念講演

「触手冠動物の分類学-コケムシ動物の多様な形質と生活史の記載を例として-」

コケムシ研究の歴史と,網羅的なサンプリングに基づくご自身の最新の研究についてのお話でした.

広瀬先生の妥協を許さないサンプリング活動には,いつも刺激を受けています。

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クモヒトデの発表もありました。

ロシアから藤田研究室に長期研究滞在をされていたAlexander Martynovさんの発表.

「A common undescribed species reveals developmental and batheymetric differentiation among a species complex of the genus Ophiacantha in the deep sea of Japan」

Ophiacantha属という,よく見られるクモヒトデについて,

膨大な科博のサンプルの検討に基づいて未記載種を発見したという発表です.

彼は私がクモヒトデ研究を志す前から研究を行われていますが,

毎回凄まじい数のサンプルの検討に基づいて結果を出されており,

クモヒトデへの情熱が溢れんばかりに伝わってきます.

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私も発表しました.

「Asterostegus属の分類学的再検討」

ツルクモヒトデ目の中でもレアな属の分類学的再検討です.

後半では,先日行ったクラウドファンディングの話もさせてもらいました。

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そしてなんと,先月開催されたうみさわ会のレポートもありました.

琉球大学の山崎博士の,

「うみさわ会(若手海洋生物学研究者フィールドワークショップ)の報告」

うみさわ会がなぜ始まったのか,

そしてこれからどのように活動していくのか,

笑いと感動(?)を交えて大変魅力的に発表してくださいました.

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これまで動物分類学会大会では,

前の発表者が次の発表者の座長を行っていましたが,

今年は演題が多かったため,座長を立てることとなりました.

なんと,節足動物のセッションでは,瀬戸の宮崎先生が座長をされていました!

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休憩室も用意されていました!

お昼ご飯をみんなでいただいて交流を深めます!

おや,後ろの方で...

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ピース!

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ポスター発表も大変盛況でした。

もっちーと宮崎先生も,中野先生と共同で発表をしていました。

「汎温帯性フタツメイソウミグモの謎:白浜個体群(紀伊半島)と下田個体群(伊豆半島)は同種なのか」

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研究の少ないウミグモに関する貴重な話に,

たくさんの方が興味をもたれたようです.

質問に答える宮崎先生と,弟子のもっちー.

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解説中もカメラ目線を忘れないもっちー。

九州でも,是非ウミグモの研究を続けてね。

ということで,今年も大変盛況のうちに分類学会がお開きとなりました。

来年は広島大学で開催されます.

いろんな生き物の話が聞きたい人,

珍しい生き物の話を語りたい人は,

是非ともお越しください。

最後になりますが,記念講演会を一緒に企画してくださった

国立科学博物館の神保博士,

JAMSTECの伊勢戸博士,

農業・食品産業技術総合研究機構の三田博士,

並びに講演を快くお引き受けくださった

京都大学の江頭博士,

九州大学の荒谷博士,細谷博士,

北海道大学の柁原博士

の皆さんには格別の感謝を申し上げます.



また,

今回の発表を聞いていただいた方,

ご意見をくださった方,

本当にありがとうございました。

大変勉強になりました!


日本動物分類学会⑤

学会の醍醐味は懇親会の後の二次会にアリ。

ということで,二次会のレポートです。

学会発表で知的に興奮した科学者達は,

その熱が冷めやらぬところに酒の勢いが足されるため,

二次会ともなると大いにバカ話科学談義に花を咲かせるのです。

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ほぼ店を貸切状態です。

こちらは若者席.

今後の分類学会を担う人々が,大変陽気に盛り上がっております。

いずれも愉快な奴らばかりで,

一緒に話していて笑いが絶えません.

これからもこの人たちと一緒に酒が飲めると思うと,

自分は本当に幸せ者だなあと思えるくらいです.

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そして重鎮の方々.

今の分類学会の盛況があるのは,この方々が礎を築いてくださったからこそです.

いまでも第一線で活躍されており,

お話を伺っていて本当に勉強になります.

それにしても,最近の分類学会は若手が増えてきており,

勢いを感じます.

生物学を志す学生の方々は,

是非とも一度は分類学に触れてみることをおすすめしますよ!




ところで,もっちーが瀬戸臨海を離れて二ヶ月経ちますが,

私は実は密かに気にかけていました.

この二ヶ月の間に,彼が,彼でなくなっているのではないかと...

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心配は無用でした。 


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ご覧下さいこの表情。

彼はアイドルとしての才能を,

失うどころか,磨いていました。

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 「さ,受け取り給え」

衰えるところを知らない,恐るべき才能です.

私は見くびっていました.

彼は九州でシャッターの前での立ち居振る舞いの向上に

磨きをかけていたに違いありません.

今後ももっちーの動向から目が離せません。

続く.


日本動物分類学会④

日本動物分類学会レポートの続きです。

毎年,日本動物分類学会では若手の分類学研究者に対し,

奨励賞の受賞選考を行っています.

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今回の受賞者は,東大海洋研の特任助教の広瀬雅人先生でした。

広瀬さんはコケムシを含む触手冠動物の専門家で,

日本産淡水コケムシ類の分類,

歴史的な標本群に基づく相模湾産コケムシ類の分類学的再検討,

および日本産のホウキムシ類や腕足類の分類学的研究を,

精力的に行ってきたことから,今回の受賞となりました.

おめでとうございます!

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それから,今回は特別功労賞の受賞もありました.

なんと,受賞者は同じ京大の中野隆文博士でした。

日本におけるZoobankへの命名法行為や学名などの精力的な登録を行ったことや,

それによって日本人で唯一Zoobank Editorを勤めていることから今回の受賞に繋がりました.

中野さんのHPはコチラ

おめでとうございます!

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はにかむ二人を激写.

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そして,懇親会に突入です。

ホテルの一角を借り切ってのオサレなパーティでした。

50周年記念のロゴが映えますね~.

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豪華な食事に舌鼓です。

美味しい食事と美酒で舌を滑らかにし,懇親するのです.

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社会人になったもっちーが,

お仕事で学会に来ていました。

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なんとスーツです。

会っていない二ヶ月間ですっかり大人になっていました。

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奨励賞受賞者の広瀬さんと名刺交換中.

働く男は輝いて見えますね。

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50周年記念講演会ということで,

49年前(!)の第1回大会参加者の入村先生に当時の様子を振り返っていただきました.

入村先生は,日本におけるクモヒトデ研究の大家で,

実は私が大変お世話になったLiving legend(生きる伝説)です.

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一緒に来ていた千徳博士と,瀬戸の三人でパシャリ.

こうして,久しぶりに研究仲間に会えるのも,

学会の醍醐味ですね!

続く.


日本動物分類学会③

 

さていよいよ記念講演会も終わり,

日本動物分類学会本番です。

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開催場所は,古巣の国立科学博物館つくば分館です.

なつかしい建物。

私がD3の時にこの建物に越したので半年ほどしかいなかったのですが,

いろいろと思い出がよみがえります.

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会場にはたくさんの研究者や学生が集まっていて,とても盛況でした。

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おや,なにやらみた顔が.

うみさわなメンバーもやはり集っていました。

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生き物の写真を見せ合うのも,

もはや恒例の風景でしょう.

さまざまな動物を扱う研究者が集まっているので,

珍しい生き物の写真には事欠きません。

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今年度より,分類学会会長に就任された

藤田先生(私の元指導教官)のご挨拶です.

スーツでバシっと決められています。

こんなふうにして分類学会ははじまりました。

続く


日本動物分類学会①

動物分類学会が始まりました。

まずはその記念講演会が

上野の国立科学博物館で開催されました。

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講演会開始前の様子.

研究者だけでなく,高校生を含める,たくさんの学生がご来場くださいました。

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まずは学会長の藤田先生のご挨拶.

お師匠に見られているとなると,緊張しますね。

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まずは私の発表「分類学ってどんな学問?」

私がこのような話をしてよいのか恐縮でしたが,

私がこれまで専攻してきた学問分野についての話をさせていただきました.

高校生を対象にということでしたが,

楽しくお話をさせていただきました。

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京都大学の江頭さんの発表.

 両生類の最近の分類学(+系統地理学)的な研究について,

最新の研究成果も交えてのびのびと発表していただきました。

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九州大学の荒谷先生の,クワガタムシカブトムシの分類学の生物多様性研究への応用の発表.

様々なデータから,多角的に,分類学の生物多様性保全への貢献をお話していただきました.

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そしてトリは,北大の柁原先生の,分類学の愉悦と若手の分類学者へのエールです.

昨今の分類学を取り巻く現状と,

これから,若手分類学者がどのような活動をしていけるのか,

ということに関して,ご自身の経験も踏まえた熱い講義をしていただきました.

質疑応答も,研究者だけでなく,

学生も交えて,終始非常の良い雰囲気で講演は進められました。

明日からは分類学会本番です。

アカデミックに楽しんできます。

 


東京

 明日はいよいよ日本動物分類学会記念講演会です.

最終的に,定員の120人がほぼ埋まる人数が集まりました.

学生の割合も多く,当初計画したとおりの人数構成での講演会ができそうです!

ということで...

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久々に東京に来ました。

オサレなカフェでお食事.

せっかくなので,ステーキと洒落込みました。

あとは明日を待つのみです。

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日本動物分類学会大会 50回記念講演会
「世界の動物に名前をつけよう~動物分類学への招待~」

日時 2014年6月13日(金) 18:00-20:00
場所 国立科学博物館 上野本館 日本館2階講堂
主催 日本動物分類学会
共催 国立科学博物館

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いろいろと講演の準備してきましたが,

泣いても笑っても,明日が本番です。

私は,18:00頃より,「分類学ってどんな学問?」

というタイトルでお話いたします.

ちなみに,そのあとは動物分類学会大会がつくばで開催されます.

2014年6月14日(土)〜15日(日)に,国立科学博物館筑波地区にて。

おそらく,日本でも屈指の「いろんな生き物」の話が聞ける学会かと思います.

気になった方はつくばに来ちゃえばいいじゃない。

ちなみに,私じゃこちらでも発表の予定です.

どちらも頑張ります。