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番所崎

2015年9月7日~9月12日 大阪大学「臨海実習」①

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ということで,一カ月前になってしまいましたが,

大阪大学の臨海実習が9/7-12にかけて行われました.

そのレポートです.



この実習では,久保田先生が磯観察の講師を務められます.



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やや曇っていますが,夏場は日に焼けずに済むので,

磯観察日和といえます.



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砂浜で早速生き物の痕跡が.

ゴーストクラブなどの巣穴でしょう.



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撮り方によっては,砂浜の穴ぼこもアートになり得ますね.



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久保田先生のお得意とするタイドプール.

ここにはいつも先生のご専門のヒドロ虫類が生息しています.



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他にも,先生自らが海に入り,解説を行います.

自らが率先して海を楽しむ教育姿勢は,非常に大切だと思います.



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番所崎の先に回ってみましょう.



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潮の関係でしょうか.たくさんの貝が打ちあがっています.

久保田先生は貝にもお詳しい



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帰り際,北浜に打ちあがっている巨木に目が留まりました.



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エボシガイ類が大量に付着していました

打ちあがってしばらく経ったのか,すべて死に絶えていましたが,

相当の期間海を漂っていた事が伺えます.


2015年8月24日~27日 「海洋実習(滋賀県立大学)」⑥

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実習室に戻り,採集物の同定です.

 
 

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砂浜に打ちあがったものも含め実に多様な生物が採れました.



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まずはバットにわかる範囲で動物群ごとに分けて,

自分たちで同定していきます.
 

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ある程度同定が終わったところで,
 

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大和先生による解説です.



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なかなかたくさんの生き物が採れました

畠島程ではないにしろ,番所崎では黒潮の影響を受けた多様な生物相が育まれています.


2015年8月24日~27日 「海洋実習(滋賀県立大学)」➄

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滋賀県立大学実習では磯観察も行いました.



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講師は,関学に引き続き大和先生です.



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とてもいい天気



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されどなかなかに波と潮が高かった



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いつもはらくらく通れる道もこの通りです.
 

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石をひっくり返すとこんな蠕虫状の生き物が.

ゴカイではありません.ホシムシ(星口動物門)ですね.
 

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最後は番所山を回って帰所.
 

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十二支の像を見ながら南方熊楠に思いを馳せます.

お疲れ様でした!


2015年8月17日~21日 関西学院大学「臨海実習」①

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2015年8月17日~21日にかけて,関西学院大学の実習が行われました.

この実習では関学の先生方と,



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例年瀬戸からは大和先生が講師を務められています.



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また例年,関学OBの内田先生も特別に講師を務められています.



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まずは到着早々磯に出ます.実習期間があまり長くないので,

なるべく早めに到着してもらいました.
 

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 生憎嵐が近づいており,潮があまりよくなかったのですが,

皆さん楽しそうにサンプルを採集しています.

 
 

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実はこの後に解剖するカメノテとフジツボを採集中.

潮上帯に分布しているので,潮が高くても簡単に採集できます.



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そんな中,浜に打ち上げられたニセクロナマコを発見.

どの段階でダメージを受けたのかはわかりませんが,

内臓を吐き出してしまっていました.

この後再生することを期待して海に返しました.



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採集の後は水族館で解説です.



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様々な動物の「かたち」を見てもらいます.

この水槽でもさもさしているのはオオカワリギンチャクです.

今回講師を務められている内田先生が記載された種です.



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それぞれの生物の暮らし方も見どころの一つです.

「かたち」と「くらし」の間には切っても切れない関係があります.


2015年7月14日~20日「臨海実習(大阪市立大学)」⑩

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盛りだくさんの大阪市立大学臨海実習,次は生理学実験です.



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この実験ではたくさんの巻貝を採ってきて実験を行います.

担当の市大の先生が台風の影響で到着が遅れたため,

河村博士が巻貝の採集に関する事前レクチャーをしました.

因みに,担当の先生方は丁度採集の直前に到着されました.



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台風一過の海岸.

こんな巨木が浜に打ち上げられるんだから,波の力というのはすごいですね.



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南浜で巻貝の採集中.全員が全員岸壁にへばりつくというのは,

なかなか磯では見られない光景でしょう.



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なかなか異様ですね.

まずは簡単に手に入るアラレタマキビを採集中なのです.

潮上帯で暑さにじっと耐える我慢強い貝です.



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タマキビ採集を終えて,段々と散らばってきました.

なるべくいろんな環境にすむ貝を採集するのです.



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発生実習を終えた水野先生もお手伝いしてくださいました.

総員総出で,かなりたくさんの巻貝が採れました



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 捕まえた貝(特に乾燥に強いタマキビなど)が逃げ出さないよう,

バケツでフタをします.実習もいよいよ大詰めですね.


2015年7月14日~20日「臨海実習(大阪市立大学)」②

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やや潮が高くなってきたので,実験所前の浜まで移動しました.
 

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青空で気持ちいですねー.
 

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と思ったら海は荒れていました

押し寄せる白波.
 

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教員も学生もずぶぬれです.
 

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箱メガネを持参した猛者も.

状況に適した正しい武器です.
 

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ということで,一日目からなかなかハードな磯観察となりましたが,

皆さんそれぞれに海の生き物の学びを深めたようですよ.

※これらの観察は,専門家の指導の下,安全に配慮して行われています.


2015年7月14日~20日「臨海実習(大阪市立大学)」①

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2015年7月14日~20日にかけて,大阪市立大学理学部の実習が開催されました.
 

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本実習では,動物の多様性の講義を,本所の久保田先生が務められています.
 

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まずは水族館で,各動物群についての基礎知識の収集です.
 

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海産無脊椎動物の展示には密かな定評のある水族館の飼育動物は多様性の学習に最適



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水族館に展示されていない生物については,

これまでに採りためておいた標本を観察します.
 

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準備万端!磯に出発



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普段は番所崎を一周したいのですが,やや波が高いため南浜で観察です.

それでも外洋の影響を受けた多様な動物相が観察できます.


奈良女子大学実習2015⑥

 

 

 

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ナマコの解剖の後は水族館見学です.

飼育員さんの粋な無脊椎動物の展示にみなさん興味津々です.
 

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西井先生は藻類がご専門ですが,こちらも無脊椎動物に興味津々のご様子.
 

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アカテヅルモヅルが気持ちよさそうに腕を広げていたので思わずパシャリ.
 

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さて,奈良女子大学実習,最後の課題は自由課題実習です.
 

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カサガイの帰巣行動観察,

ヤドカリの殻選択,

ウニの偽装行動実験などなど,

用意されたテーマから1つを選び,限られた時間内で検証します.

勿論全く新しいテーマを自分で考えても構いません.

写真はヤドカリを殻から出しているところ.

※ヤドカリと人体への影響を配慮しています.
 
 

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ヤドカリを選択した班は野外に観察に出かけます.
 

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貝は見えてもヤドカリは見えず.

いざ研究対象の生物だけを見つけようと思うとなかなか見つからない.

そのような野外調査の難しさを学んでもらいうこともこの課題の目的と言えるでしょう.
 

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こちらはウニ班(画像が悪くてごめんなさい)

ウニを採りつつ,その生息状況をメモしています.えらい!
 

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カサガイ班にお土産です
 

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ウニの偽装行動を観察中.

野外で海藻などを体の周りにくっつけているコシダカウニを採集し,

同所的に生息している海藻を切り刻んで与えて,

生息場所によって趣向性の違いがあるかどうかを調べたいとのこと.
 

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カサガイの帰巣実験の観察.

スライドグラスにカサガイを乗せ,どのような行動をとるかを見ています.


奈良女子大学実習2015③

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次はタイドプールの生物相調査です.
 

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南浜に再訪です.
 

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狙いのタイドプールを決めたら,
 

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水を描き出します!(学生の吉川君[M1]による多大な協力に感謝いたします)
 

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タイドプールの水が無くなると,

その中の生物相が調べやすくなります.

何処にどんな種類の生物が生息しているか,

徹底的に調べます.
 

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室内で得られたデータの解析.

先輩たちの発表スライドを参考にしています.
 

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いよいよ,自分たちの成果発表

何故タイドプールによって生物組成が違うのか?

タイドプールの地理(水深,幅,標高)?

日当たり?

動物と植物の相互関係?
 

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最後には皆で総合議論です.

全員のデータを並べ替えてみたりして,
 

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「環境と生物」について,じっくり議論してもらいました


奈良女子大学実習2015①

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2015年5月31日から6月4日にかけて,奈良女子大学の臨海実習が行われました.
 

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一日目は素晴らしい天気に恵まれました

早速海藻実習に出かけます.
 

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たまたま外に出てきていた技官さんたちが遠くから見守ってくださっていました.
 

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講師は京都大学の鰺坂先生です.

先生のお話をしっかりメモする学生さんたち.
 

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引率は奈良女子大学の遊佐先生です.

学生さんたちに見せるための動物をお探し中.
 

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帯状分布のご説明中.

動物だけでなく,もちろん藻類でも帯状分布は見られます.

こちらは季節限定ですね.
 

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それにしても良い天気です
 

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オーバーハングしている部分は,日が当たらないために,

シマオオギなどの深場の海藻が生えています.
 

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持ち帰った海藻を使って切片を見ます.

外見だけでなく,切片を作って観察しないと同定が難しい種もいます.
 

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磯観察中に採れたヤガラの仲間.

餌にうるさいため大変飼うのが難しい種類で,

少し観察した後,海に帰してあげました.


和歌山大学 臨海実習①

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2015年17日~22日にかけて,和歌山大学の臨海実習が開催されました
 

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この実習はとにかくフィールドに出ます

まずは近場の番所崎.
 

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春の大潮で大変良く潮が引いています.
 

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波も穏やかで,フィールドワーク日和
 

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あまりに引いているので,普段は水中に使っているトゲトサカもこの有様.

だらーん.
 

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イボヤギも干出しています.
 

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土日だったので,ヒジキ漁をしている地元の方がたくさんでした.

画面右上の白い袋には,ヒジキがどっさり詰まっています.
 

麦藁帽をかぶった河村博士の足元に生い茂っているのがヒジキです.


大阪大学臨海実習③

 

ウニの発生の合間に,磯に出ました.

TAの中島さんのやる気がここでも発揮されます
 

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天気にも恵まれました
 

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中島さんは海からの遊撃部隊.

いいものを捕まえてきてください
 

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おや,何をしているのでしょう?
 

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ここぞとばかりに記念写真でした
 

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この日はやや潮が高め.
 

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いつもは簡単に渡れる場所も,足場に気を付けないと到達困難
 

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やっとたどり着きました.

この付近は,番所崎の最も突き出た部分で,

外洋性の生き物もちらほら見られます.
 

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そのうちの一種,トゲウミトサカ.

八放サンゴと呼ばれる,硬い骨格を持たないいわゆるソフトコーラルです.

中島さんが水中で撮影してくれました!
 

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遊撃部隊のお手柄

手に持っているのはオオウミシダです

中島さんは,なんとウミシダの研究に興味があるそうです.

未来の棘皮研究者ですね
 

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本当に天気がいい!塔島と青空がいいバランスで景色を作っています
 

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思わず水切りをしてしまいますね
 

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とあるタイドプールに,イソスジエビの群集を発見
 

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カメラに近づいてきました

好奇心旺盛ですね.
 

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タイドプールにはいろんな生き物が潜んでいます.

残念ながらこの画面には全ては映っていないのですが,

原始的と言われるものから高等と言われるものまで,

様々な生物の行動や,繁殖生態が勉強できたようです.
 

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硬い地盤にポツポツ開けられた穴.

これは人工物ではなく,少しの隙間に溜まった石などが,

波の作用で隙間の表面を削りながらぐるぐる回ることで,

どんどんと大きなったものがこの穴になったそうです.
 

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そんなこんなの楽しい磯観察でした
 

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潮が高くなってきて,南浜経由では帰れなくなってしまいました
 

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心配ご無用,そんなときは番所山公園から実験所に帰ってこられます.
 

今年からリニューアルした番所山講演には見所いっぱいです.

秋の行楽に,是非とも訪れられてみては?
 

そして水族館にも訪れられてみては?

続く


大阪大学(留学生)臨海実習②

 阪大インターナショナルカレッジ臨海実習レポート 
 

 

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水族館見学の後,もう一度浜に向かいました. 
 

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やはり潮は高いです.

Luke先生もシュノーケリングで生き物を探しますが... 
 

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結果はこの写真が表しています.

タイトルは「黄昏」とでもしましょう
 

翌日は畠島です!たくさん生き物を採りましょう 
 

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夕方はウニの発生の予備講義.

山田先生による,ツマジロナガウニの発生の説明です. 
 

山田先生は,私の北大時代の講座の先輩にあたるそうです 
 

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その後はデータベース入力の準備.

この実習では,採集した生物のリストをデータベース化しており,

毎年の実習で成果がアップデートされていきます.  
 

Thorstenさんのデータべ―スはコチラ
 

現在200種以上が登録されています.
 

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さて翌日は畠島へ
 

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分室でいつもの畠島の説明.

今回は私が担当しました.
 

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海岸へGO!天気は抜群ですよ


 

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と思ったらやっぱり潮が高い

そもそも干潮が早朝なので,徐々に満ちいく中でのスタートとなりました.
 

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しかし彼らは潜るのです!潜れば潮はあまり関係ありません
 

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Luke先生が頑張ってナマコを採集してくださいました

Domo Arigato!
 

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空がもう秋色ですねー.
 

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磯観察終了後,一息つく指導側の面々.
 

   

対照的に迎船ギリギリまで水につかる学生たち.

(おや,Luke先生の姿も...)


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そうこうしているうちにお迎えが来ました.

さあ実験所に戻りましょう
 

続く.

 


大阪大学(留学生)臨海実習①

2014年9月16日~21日にかけて,

大阪大学インターナショナルカレッジの臨海実習が開催されました

全世界津々浦々から,7カ国(教員含む)の人々が集まりました.
 

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実習一日目は単なペーパーテストからスタートです.
 

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代表的な動物門の,現在の大系統の記述テストです

これをすらすら書いていく学生さん(一回生)たち.

暗記だとしても天晴です.
 

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そして久保田先生の磯観察講義開始

もう何度もこの講義を担当されているそうで,英語の授業もお手のものです.

大変勉強になります.
 

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北浜で磯観察の図.やや波が高かったのですが,

その甲斐あって漂着物がいろいろと流れ着いていました.

久保田先生もご満悦のご様子
 

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しかし,潮も高かった

いつもは番所崎を簡単に一周できるのですが,

「こりゃ全然だめだ」


 

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ということで,普段はあまり来ない実験所の北東部に来てみました.
 

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教員のHenrich先生が潜る

この実習では皆潜りまくります
 

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採集物の解説.教員のUeda-Sarson先生(右側手前)も興味津々です.
 

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お次は標本での動物の説明.
 

我々が整理した標本が活用されています

実は去年,標本瓶が劣化により危険な状態であることが判明したのがこの実習の時でした,

今年の冬に整備を行いました.
 

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水族館で,動物の系統関係の説明.

いつもながら良くできた系統樹です.
 

実習を通して動物のグループごとに班分けがされ,

最後に分類群ごとに研究発表を行ってもらいます.

白浜水族館には多種多様な海産無脊椎動物が飼育展示されていますので,

皆,自分の担当の分類群を一生懸命勉強していました.


 

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オニヒトデを撮影するタイ出身のPasin君.

実は彼は棘皮動物グループ(私が指導担当)の一員です.
 

インターナショナルな実習の幕開けです

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習⑥

アーウィンループを作成しても,観察対象がいなくては実習は始まりません.

ということで,
 

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フジツボから
 

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砂の中から
 

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メイオベントスを採ります
 

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今回の目玉生物はコチラ.
 

チリハギガイという,体長数ミリの寄生性二枚貝です.

普通はイガイ類に寄生しているという話なのですが,

なんとヒザラガイの表面をガリガリ削ってみたところ,

この貝が得られました.
 

殻の中の黒くなっている部分では,

稚貝を育てているそうです.
 

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最後は朝倉先生による甲殻類の解剖.

磯に普通に見られるホンヤドカリを解剖し,

その機能形態や,体節性を学んでもらいました.

まずは殻を割って中身を取り出さなくてはなりません.

そのために使ったのが...
 

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この...
 

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万力

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実に優秀な対ヤドカリ兵器のおかげで,

このように硬い殻に引きこもったヤドカリも,無傷で白日の下にさらされました.

ちなみに,事前に採集したアルコール標本を用いています.
 

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このように,ピンセットで体節の付属肢を一本ずつ解体し,
 

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顕微鏡で観察します.

体節ごとの形態の違いを学んでもらいました
 

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 最後に,朝倉先生のセミナーで,

実習課題はおしまい

 


京都大学臨海実習第二部+公開臨海実習④

 

京大実習レポート第四弾

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今回は軟体動物の解剖です
 

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まずは番所崎で貝(二枚貝はダメ)を採る
 

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水族館の取水口でも採る
 

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今回の目的は,貝類の歯舌の観察です.

体内にある歯舌をとりだすため,
 

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肉抜きという技術を使います.
 

要するに茹でて軟体部だけを殻から取り出すのですが,

実はこれが,形態観察,DNA解析の両方を行う上で優れた方法なのです.
 

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以前も紹介したマツバガイ(カサガイ)の軟体部.
 

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これは何かといいますと...
 

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コチラ!タツナミガイは体内に歯舌がないなあと思っていたら,
 

こんな風に唇みたいになっていた構造が,実は歯舌だったようで,

これを取り出して観察してみると,ちゃんと歯舌状のザラザラ構造がみられました.
 

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取り出した歯舌を,電子顕微鏡で観察.
 

この日はかなり遅くまで観察を続けたようです.
 

お疲れ様でした


関西学院大学臨海実習

 

先日,鳥取県立博物館の特別シンポジウムでの発表を終えてきました.
 

一般の方々を対象にということで緊張したのですが,

なかなか楽しくクモヒトデの紹介や,自分の研究の紹介ができたのではないかと思っています.
 

他の発表者の方々のお話も非常に興味深いものばかりで,

私自身もすっかり楽しんでしましました.
 

その様子はまたアップいたしますね.
 

まずはこの間終わった関西学院大学の臨海実習のレポートおば.
 

2014年8月22日~26日にかけて開催されました.

八月最後の臨海実習の様子をお送りいたします.
 

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お昼に学生さんが全員集合しました.24人の大所帯です.
 

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集合当日から磯に出ます
 

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南浜で磯観察.高潮時の南浜です.新鮮
 

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瀬戸臨海実験所からは大和先生が講師として参加しておられます.

ご専門のカメノテを採集です
 

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カメノテが曼脚を広げているのがみられました.

潮が高いときでないとなかなか見られません.
 

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漂流していた浮きに,同じ蔓脚類のエボシガイがついていました.

陸生のカメノテに比べ,はるかに成長スピードが速いのだとか.
 

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北浜からの道のりはおそらく海の下になってしまうので,

帰りは番所山公園を横断.
 

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帰所後水族館観察!新装開店後,大活躍の白浜水族館です.
 

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系統樹パネルの前での説明.

関学の講師の内田先生が活発に質問をしていらっしゃいます.
 

生涯現役ですね
 

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改修後見やすくなったと評判の小さな生き物の展示.

ここではホシムシやヒモムシ,カイメンなどの普段あまり注目されない生物にスポットが当てられているのです
 

続く.

 

 


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑧

京大実習レポートいよいよ大詰め
 

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この写真を覚えておいででしょうか?
 

自由課題実習です.
 

実はこれまでの実習に他の人たちが取り組んでいる間に,

滋賀県立大の杉本君が,

「潮間帯の岩礁や転石帯において,波や乾燥などの環境要因が,

貝類の分布に及ぼしている影響についての考察」

というテーマに取り組んでいました.
 

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鳥の巣,番所崎など数地点でコドラート・ライントランセクト調査を行い,

干潮時の海岸線から約1m 間隔で潮上帯まで50 cm四方のコドラートをとりました.
 

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得られたデータを解析中.

地点ごとにシャノン・ベイナー多様度指数(H’)や

類似度を算出しています.
 

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結果発表
 

台風の影響であまりたくさんデータが採れなかったので,

中野先生のコドラート調査のデータもお借りして比較に用いました.
 

分布図を書き,多様度などを地点ごとに比較したところ,

波あたりが強い場所では生物の多様性が高そうだ,

という考察に至りました.
 

そもそも生物学では,どうしても厳密なデータを採るのが難しいため,

たくさんのデータを採り,統計学的に処理することでその傾向を見る,

という手法が多くとられるます(特に生態学のような分野では).
 

台風でデータが得られなかったという原因はありますが,

今回はやや解析だよりになってしまったかもしれません.
 

例えば,分布図を書いてみた時点で,

肉食の捕食者のイボニシやシマレイシガイダマシ(巻貝)の分布と,

被食者のクログチガイ(固着性二枚貝)などの分布に,

ある程度の重なりがみられることがわかりました.
 

これを新たな出発点とし,

干潮時と満潮時での巻貝の挙動の違いや,

実際の捕食行動や捕食数から推測される捕食圧などを地点ごとに調べると,

さらに面白いことがわかったかもしれせん.
 

そして,新たに得られたデータを基に多様度や類似度を検定できれば,

解析をさらに「有意義」なものにできたでしょう.
 

また来年度,新たなチャレンジャーがこの謎を究明してくれることを祈ります
 

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実習の最終日は恒例のBBQ大会
 

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白浜の海の幸をたっぷりと堪能してもらいながら,

海洋生物談義に花を咲かせ,夜が更けていきましたとさ.
 

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一夜明けて,本当の最終日.

最後に宿舎と実験室の掃除をして,気持ちよく家に帰りましょう

こんなにピカピカにしてくれました!
 

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最後に白浜水族館をバックにパシャリ.
 

皆さんお疲れ様でした


京大実習(一部,四部)+公開臨海実習⑦

さて,いよいよ佳境に近づいてきた京都大学の実習レポートです
 

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干潟の生き物をいざ同定



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今回注目のクリーチャーはこいつ

ハマガニです

なんでも本州でみられるのは非常に珍しい芦原性の種だそうで,

芦原の減少とともに個体数も減ってきているのだそうです.
 

興味のある方は「ハマガニ」で検索してみてください.

いろいろ絶滅危惧に関連したウェブサイトが引っかかってきますよ
 

ハンティング能力に長けた学生により捕獲されました
 

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干潟で採集された生物.こちらもかなり種数が多く,なんと計63種に上りました.

みなさんの採集努力に脱帽です
 

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干潟のお次は久保田先生によるプランクトン実習です
 

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専用ピペットの作り方解説中.

非常に小さなプランクトンをうまく海水からピックアップするためには,

先の細いピペットを使う必要があります.
 

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まずプラスチック製のピペットの先を火であぶって溶かします.
 

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そしてこう!
 

溶けた部分が固まらないうちにピンセットでつまみ,

びろーーーん

...と伸ばします.

あとは冷めて固まるのを待ち,細くなった部分を鋏で切ればOK
 

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 実態顕微鏡で観察中.

毎度おなじみ田辺湾から,今回は何が採れたのでしょうか?
 

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おお,プルテウス幼生が採れました

腕の長さからしてクモヒトデの幼生でしょう.
 

台風の影響か,普段に比べると生き物が少ない印象でしたが...
 

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こんなものが採れました
 

なんと内肛動物の幼生の可能性が高いということです
 

おしりに一対の針状の構造を持っているのが特徴とのこと.

勿論,白浜周辺でも成体がみられるのですが,うーむ幼生は初めてみました.
 

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台風で外洋性生物の観察の機会がなかったので,

浜に打ちあがったプランクトンを観察するついでに,番所崎にも磯採集にきました.
 

打ちあがったペットボトルに,エボシガイというカメノテの仲間が付着していました.

これも広い意味ではプランクトンと言えるでしょう.
 

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激しい波に晒されたせいでしょう.しっかりと岩に張り付いているカキも,

一部はがされてしまったようです.台風の脅威を感じます.
 

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急遽敢行した磯採集だったのであまり潮の条件がよくなく,満潮に近い状態です.

いつもは余裕で通れるところが,水浸し状態

普段みる干潮とは違った景色でした
 

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 いつもハネウミヒドラがみられるタイドプールがなくなっていました

いつもは小高い丘も,このように孤島に.

磯観察での潮位の重要性を改めて理解しました.
 

続く.


大阪市立大学実習⑤

 国際学会@ポーツマスが終わりました。
 

IMG_1573 (コピー)

発表も済ませてきました.
 

なんやかんやしているうちに発表の日が来てしまったのですが,

なんとか無事に発表を終えられてほっとしています.
 

学会の様子についてはまた後日。
 

その前にこのレポートを終えなくては。
 

大阪市立大学の実習レポートです。
 

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久保田先生の系統分類学の講義の続きです.

白浜水族館は海産無脊椎動物の展示が充実しており,

海の生き物の多様性を学びやすい構造になっています.
 

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また,各水槽は分類群(主に門や綱)ごとに分けられ,

それぞれに設けられたトピック的な解説を読んでもらうだけで,

楽しく生き物の分類を知ってもらえます.
 

引率の後藤先生や橘先生も含め,皆勉強熱心になっていました.
 

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さてさて,生き物の基本構造が頭に入ったところで,

再び番所崎で磯観察です!
 

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柔らかいホネナシサンゴなどもタイドプールで見られました.
 

これは,ヤギなどとは異なる六放サンゴの仲間です.

ですが,いわゆるソフトコーラルとは呼ばないのだとか.
 

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番所崎一周中.前回はいかなかった北側をグルっと回ってくると...
 

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なんとホンダワラ(Sargassum)が大量に打ち上がっていました。

普段は穏やかな砂浜ですが,足の踏み場もないとはこのことです!
 

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どこまでが砂浜でどこまでが水やら...

うっかりすると長靴が水没しそうでした。

夏の到来が感じられる出来事でした.
 

続く.

 


大阪市立大学実習④

 大阪市立大学の実習もいよいよ佳境です。

生理学実習の次は,系統分類学実習です.

講師は瀬戸臨海の久保田先生。
 

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動物門の説明中.我々研究員が整理した標本が使われております。
 

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浜に打ち上がっていたヤギ(硬い骨格のない柔らかいサンゴ)の説明.

台風八号の影響で,普段はなかなかうち上がらない生き物が見られたそうです.
 

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と,盗撮者が!?
 
 
 
 
 
 

...というわけではもちろんありません.
 

ドイツから来ていた久保田先生の取材チームが実習に同行していました.

ベニクラゲに関する記事でしょうか.
 

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南浜での磯採集の様子.

みんなで力を合わせて石の裏の生物を探します。
 

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誰かが踏んだようですね.タツナミガイを。

姿は見えねど,体液が見えています。
 

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なんと,カツオノエボシが打ち上がっていたそうです。

こいつの触手(この写真では水中に隠れて見えませんが)は強力な毒があるのでご注意を.
 

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カツオノエボシの刺胞の観察中.
 

種類にもよるのですが,触手を薄い酸(食酢くらい)に晒すと,

刺胞を発射してくれます.
 

右下のポコポコした黒い部分が触手で,

毛のようにピュっと伸びたのが刺胞です.
 

この刺胞の長さと,刺胞に含まれる毒の量で,

人間に対する害の度合いが決まってくるんだとか.
 

カツオノエボシの刺胞は非常に長く,刺す気が伝わってきます.

みなさんは触らないようにしましょうね!
 

くわばらくわばら...
 

続く.

 

 

 


大阪教育大学実習③

 台風八号が本州に接近しています。
 

海に近いので「非常に強い」と聞くとひやひやしてしまいますが,

今のところ少し風が強くなってきたかなというところです.
 

大阪市立大学の実習日程の日にもろに直撃しそうですが,

逸れてくれるか,早く過ぎ去るかを願うのみです.
 

というわけで,過ぎし日の実習のレポート(大教大)です。
 

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海岸へやってきた一向.

もう目的は言わずもがなですね。
 

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フジツボをこそぎ採ります。
 

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せっせと海藻を採ります。
 

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そして砂を掘ります.
 

そう,
 
 

メイオベントス観察です。  
 

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とってきた砂に真水を混ぜ,ひたすらかき混ぜます。
 

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海藻にも真水を混ぜ,かき混ぜます。

目に見えない生き物の採集は,想像力が命.

大漁を想像中の表情ですね。
 

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撹拌後しばらく待機,後に上澄みを篩いに受ける。

簡単そうに見えますが...
 

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「疲れた...」
 

実はこれがなかなか筋肉を使う作業です。
 

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そして篩の上に残っている(はず)のメイオベントスを,

丁寧にボールに移します.
 

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さて,何が採れたかな?

わくわくが伝わってきますね!
 

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今回もいろんなメイオベントスが採れました。

海藻からは,クマムシ(矢印)が.
 

海藻の裏に隠れてしまっていますが,いるのです。

生で見たい人は,瀬戸臨海実験所の公開臨海実習にお申し込みくださいね.
 

続く


奈良女子大学実習⑤

奈良女子大学レポートシリーズ最終話です。
 

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本実習ではプランクトン観察も行います.
 

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 みなさん生物顕微鏡の使い方にもだいぶ慣れた様子.
 

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その間に,畠島で得られた珍しい生き物を撮影.

なんと,小さなウミシダが採れたのです.

専門家伺ってみたところ,成体ではなく何かの赤ちゃんとのことです.
 

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器の中で所在なさげにしていたので,

ウニの死に殻を入れてみたところ,必死に張り付いていました.

可愛いですね~.
 

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さてさて,そうこうしている間に次の課題が始まりました.

この実習では毎年,自由課題実習も行われています.
 

それぞれの班に分かれ,まずは課題を黒板に書きだします.

毎年,独創的な課題が出てくるのでとても楽しみです.
 

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私は棘皮班の付き添いに名乗りを上げ,

ニセクロナマコの採集のお手伝いをしました.
 

例によって激写する先生を激写.
 

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室内に生物を持ち帰って実験です。
 

この班は,イソクズガニが体の付着物の趣向性について調べるため,

捕まえてきたカニの付着物を歯ブラシで落としています.
 

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こちらの班は,ナマコがどれくらいのストレスを受ければ,

体内から忌避物質を出すのかを調べるため,

あらゆるストレス実験を行っています.
 

ナマコを解剖し,その体液で他のナマコに影響が出るかを調べています.

解剖されたナマコについては,しっかりと内臓の構造を解説いたしました.
 

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実験が終わったら,結果を取りまとめてまた発表です。

例によって,紙に手書きで資料をまとめます.
 

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そしていよいよ発表です。
 

短い時間で得た結果をもとに発表を行うのは,

実はとても難しいのですが,

みなさん,ここでもうまく結果をまとめられていました.
 

中には本当に科学的に新発見なのではないかという発表もあり,

個人的に非常に楽しませてもらいました.
 

ここで興味を持ったことを,そのまま卒研のテーマにして

瀬戸臨海で実験を続けてくれる学生もいます.
 

今年,ナマコに興味をもった学生が,棘皮の研究をしてくれないかなあと

期待してみるのでした.
 

実はナマコはまだ分類が進んでいないおすすめ研究対象なのです。

と,密かに宣伝をしておきます。
 

というわけで,奈良女子大学の実習レポート終了。

 


奈良女子大学実習③

 分類学会のレポートで遅くなってしまいましたが,

奈良女子大学の実習レポートの続きです。

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前回の磯観察で採集された海藻を標本にしました.

これで海藻の知識はばっちりですね。

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ということで再び磯に出ます.

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さてさて,磯で頃合いのタイドプールを探しますよー.

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「これなんかどうかな?」

彼女たちが何をしているのか,

賢明な皆様はもうお気づきでしょう.

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そう,3月の海藻実習でも行われた,タイドプールの海藻相比較です。

大きさや深さ,海抜や海からの距離のうち,一つないし二つが異なるタイドプールを二つ選び,

その生物相を比較します.

まずはプールの計測.

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そんな様子を激写する先生を例により激写.

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測定の後はプールの水抜き。

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えっさほいさ!

大変な作業ですが,みなめげずに頑張りました。

※タイドプールの水は,その後スタッフによって元の水位に戻されました.

続く


奈良女子大学実習②

奈良女子大学実習第二弾です.

番所崎での観察はまだまだ続きます.

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波打ち際から...

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タイドプールから...

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波が激しく当たる岩場まで!



それぞれの環境には,それぞれに適応した海藻が分布しています.

段々と環境を変えながら観察していくことで,その変遷がよく理解できます.

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岩場の最前線に果敢に攻めいる人物が一人。

と思ったら遊佐先生でした。

学生に見せるためのウミウシを探していたそうです.

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お,遠くに見たことある人が.

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調査中の凌君でした!

遠くなので声はかけられませんでしたが,

彼は毎月大潮の際に,どんなに寒かろうと暑かろうと,

定点で貝類の調査をしています. 

※安全には十分注意した上で調査にあたっています.

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みなさん,とても真面目に先生の海藻の解説に耳を傾けています.

普段何気なく見ている岩場にも,実は驚く程多様な海藻が生息していることがよくわかります.

分類を学ぶことの一つの意義は,

こうした自然をより深く楽しめるようになるための知識を得られるところにあるのかもしれません.

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南浜からグルッと回って,北浜の洞門に帰ってきました.

お疲れ様でした。


奈良女子大学実習①

5月26-31日にかけて,奈良女子大学の実習が行われました。

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この実習でも,毎日野外に出ます.

まずは海藻実習のための事前講義です。

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そして早速フィールドにいきます。

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おや,どこに行くかと思いきや?

まずは避難経路の説明ですね.

南方熊楠記念館までいけば,想定津波到達高は免れます。

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そして改めて野外へ.

この実習では,麦わら帽子着用者が多いようですね.

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まずは海岸で説明.

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この時期は脱落した海藻が浜に打ち上がるんですね。

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引率の遊佐先生も,そんな学生の様子を撮影するため,

胴長装備です。

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海岸での実習は続きます.

春先にはヒトエグサなどの緑藻が繁茂していましたが,

ほとんど見られなくなっているなど,

海藻相の変遷が見られました.

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タイドプールに魚の群れが。

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 ぐるぐる...

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ぐるぐる...

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 ぐるぐる...

ずっと輪を作って泳いでいました.

カタクチイワシの群れだそうです.

潮の関係で取り残されてしまったようですね.

こんな珍しい現象に恵まれながら,実習が始まりました。

続く.


2014年和歌山大学実習⑧

和歌山大学実習レポートも

ついにラストです。

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和歌山大学ではコドラートを使った実習も行います.

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コドラート調査では,このように特定の方形枠を設定し(50 cm×50 cmなど),

その枠の中にいる生物の組成を調べる方法です.

今回の実習では,潮上帯(潮が満ちても水が来ず,水しぶきだけがあたる場所),

潮間帯(普段は水の底で,干潮時に陸になる場所)

潮下帯(干潮時にだけ陸になる場所)

に分けてコドラート調査が行われました.

これにより,水深ごとの生物分布を比較します.

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デジカメで方形内を撮影.

後の情報整理に役立ちます.

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あまりに計測個体数が多い場合は,一部分の計測値をもとに,

全体の計測数を割り出す方法をとります.

なんだかクイックスを思い出しますね.

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この日は潮がよく引いていたので,

普段は渡れない塔島までわたることができました。

先端まで行くと,外洋性の生物が少しだけ見られたりします.

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現場で同定できなかったものは,

実習室へ持ち帰ってじっくり鑑定します。

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そして最後の実習,プランクトン観察。

本当はウニの発生実験も行う予定だったのですが,

なぜかムラサキウニがうまく放精放卵しなかったため,中止となってしまったのです.

時期はそんなに悪くなかったのですが,不思議ですね.

予想外のハプニングもある意味,生物を扱った実習の醍醐味です.

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プランクトン実習では,先生でもわからないような生き物が出てくることがあります.

先生と学生で頭を悩ませながら種を同定することもしばしば.

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先生お手製の篩で,実験所のすぐ裏の海水を濾してみました。

結構たくさんのプランクトンが採れたようですよ.

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そんなこんなで,野外尽くしの和歌山大学実習でした.

そろそろ実習シーズンに突入します.

この夏は学会,実習,提出期限のある論文に大忙しになりそうです.

まずは目の前の日本動物分類学会第50回大会で頑張って発表してきます!


藻類の系統と進化⑥

 

ついに最後の野外実習です。

この日の作業は、海藻の組成比較です。

各班で二つのタイドプールを決めてもらい、海藻の分布を調べ、比較します。

ポイントになるのはタイドプールの選び方です。

水深、面積、低質、海岸からの距離、高さなどの条件のうち、一つの条件だけが異なるように

タイドプールを選定することで、その条件が海藻の分布に及ぼす影響を考察してもらいます。

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タイドプールを決めたら、まずは水をバケツで掻き出します。

ある程度の深さに生えている海藻も観察するためです。

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しかしこの日は強風でした。

掻き出した水が、風にあおられてすぐに霧状に。

本当に過酷な作業でした(経験者談)

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水がなくなったタイドプール内の海藻の分布を調査中。

水平分布だけでなく、垂直分布も調べます。

実に骨の折れる作業です。

みんなヘトヘトかと思いきや…?

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まだポージングする余裕が。

強風も、彼らにとっては演出の一部にすぎないようです。

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穴の見えない円月島をバックに、この余裕っぷり。 

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実習室に戻って、結果発表会です。

今回は、多くの班が水深に着目していました。

光合成を行う植物にとっては、やはり数10cmといえども、

水深は大きく分布に影響するようです。

紅藻、褐藻、緑藻である程度垂直分布に差が見られました。

とはいえ、そう簡単に傾向が出ないのもフィールドワークの妙。

みなさん、それぞれの結果に全身全霊で考察を加えてくれました。

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発表会終盤。

とある鋭い指摘が。

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あ!May 21て!!

※3月に行われた実習です。

この班は文字のデザインにこだわってくれましたが、

最後の詰めが甘かったようです。

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無事発表終了。

このあとはいよいよ打ち上げです。

最終話へ続く。

※タイドプールの水は、スタッフによってもとの水位に戻されました。


藻類の系統と進化④

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野外観察の続きです。

先生の後ろには深いくぼみがあり、日中は陽が差さない場所になっています。

こういったところには、暗所に適応した藻類が生息しています。

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これはムカデノリ「Grateloupia asiatica 」です。

太い茎部分から、細い足がたくさん生えていて、

まるでアレのようなことからこの名前が付けられているそうです。

ああ、そういえばもうそろそろアレが出てくる時期なのですね…(遠い目)

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少し休憩。

無理せずこまめに休憩をとることも、磯観察の重要なポイントです。

ゴールまであと少し!

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帰所後、採集した海藻の標本づくりです。

綺麗につくると、このような美しい標本になるそうです。

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まず、海藻を、このようにツルツルのコピー用紙に

そっと乗せて、形を整えます。

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吸水性のあるフェルトでこの海藻用紙を挟みまして。

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サンドイッチに。

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そらにダンボールで挟んで、扇風機で一晩乾かします。

うまく標本はできているでしょうか?

続く


藻類の系統と進化③

 海浜植物の次は、海藻実習です。 

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野外に出る前に、まずは海藻のご説明。

「かいそう」と言うと「海草」とも「海藻」ともとれますが、

これらは全く異なる分類群です。

「海草」は、海に生息している種子植物(アマモなど)です。

「海藻」は、呼んで字の如く、目に見える大きさの海の藻類(コンブなど)です。

こうした混同を防ぐため、「海草」は「うみくさ」と呼び分ける場合もあるそうです。

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先生が事前に採ってきた実物の海藻 を見ながらの説明。

みなさん興味津々ですねー。

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そして野外へ。

普段何気なくみている堤防などの岸壁にも、実はたくさんの藻類が生えています。

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岩場の藻類の説明。

ヒトに踏みつけられてもめげない

海藻達のたくましい生き様が見られます。

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磯の海藻シリーズ!!その①

ヒジキ(Sargassum fusiforme)

言わずと知れた食卓の名脇役。

乾燥させる前では、このように枝がプリプリしています。

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その②

イソモク(Sargassum hemiphyllum 

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その③

イワヒゲ(Myelophycus simplex

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その④

ヒジキを囲むように生えているウミトラノオ(Sargassum thunbergii

この海藻の根本には、マキトラノオガニ(Pilumnopeus makianus)というカニが潜んでいることがあります。

藻類実習レポート、まだまだ続く!