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生理実験

2015年7月14日~20日「臨海実習(大阪市立大学)」⑩

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盛りだくさんの大阪市立大学臨海実習,次は生理学実験です.



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この実験ではたくさんの巻貝を採ってきて実験を行います.

担当の市大の先生が台風の影響で到着が遅れたため,

河村博士が巻貝の採集に関する事前レクチャーをしました.

因みに,担当の先生方は丁度採集の直前に到着されました.



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台風一過の海岸.

こんな巨木が浜に打ち上げられるんだから,波の力というのはすごいですね.



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南浜で巻貝の採集中.全員が全員岸壁にへばりつくというのは,

なかなか磯では見られない光景でしょう.



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なかなか異様ですね.

まずは簡単に手に入るアラレタマキビを採集中なのです.

潮上帯で暑さにじっと耐える我慢強い貝です.



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タマキビ採集を終えて,段々と散らばってきました.

なるべくいろんな環境にすむ貝を採集するのです.



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発生実習を終えた水野先生もお手伝いしてくださいました.

総員総出で,かなりたくさんの巻貝が採れました



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 捕まえた貝(特に乾燥に強いタマキビなど)が逃げ出さないよう,

バケツでフタをします.実習もいよいよ大詰めですね.


大阪大学臨海実習⑥

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一番手はフナムシの行動実験の発表
 

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フナムシのジグザグ行動の検証ですが,

曲がり角にぶつかった際,

初めに左右の触覚どちらかが当たったのと反対の方向に曲がるのでは?

という仮説のもと,実証に取り組んでくれました.
 

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「触覚に注目した実験は初めてだ」

先生方からも意見が飛び交います.
 

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フナムシの行動実験二つ目です.

この班では,明暗が行動に及ぼす影響に注目しており,

迷路にカバーを掛けてみるなどのユニークな実験に取り組んでいました.
 

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「それを検証するためには,他にどんな実験をすればいいと思う?」

学生の意見を引き出そうとする質問です.
 

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お次はpHがウニの受精に与える影響に関しての実験です.
 

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受精卵から,精子を誘引する物質(彼らは「卵エキス」と読んでいた)

が分泌されており,その物質の影響が大きいのではないかということを検証しようとしていました.

こちらも非常にユニークな着眼点でした.
 

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次は巻貝の生理学実験です.
 

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色々な塩の組成で巻貝の出殼反応を試しましたが,

どの塩の組み合わせが本当に巻貝に認知されているのかが詰めきれなかったようです.
 

このような化学的な実験は,微量な化学物質の差で実験結果が変わってしまいます.

そのような指摘にも耐えうる高精度な実験を行ってくれました
 

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締めは巻貝の出殼反応第二弾です.
 

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普通,この実験は巻貝の反応について,殻から出て動き回る,

という行動をポジティブな反応のMaxとするのですが,

彼はそのまま観察していると,突っついても動かなくなる

(「馬鹿になる」と表現されていました)ことを見出しました.
 

実は今回実験に使った塩化マグネシウムは海産無脊椎動物の麻酔薬によく使われています.

彼が見出したこの馬鹿になる反応は,

まさに塩化マグネシウム溶液に漬けた時によく現れる傾向が出ていました.
 

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目の付け所は面白かったのですが,

実験方法の詰に甘い部分があり,西田先生から指導が入っていました.
 

自由課題実習の醍醐味は,

多様な自然環境の中から興味深い題材を発掘することにも意義はありますが,

それ以上に,自分が選んだ課題をいかに科学的に検証していくか,

という方法を学んでもらえるところに大きな意義があります.
 

その指導を行うためには,

普段の研究生活の中で常に科学的な思考を養っていかなくてはならないのだということを,

私たちも学ばせていただきました.
 

当たり前の事ですが,日々の雑務にも追われつつも,

この感覚をキープしなくていはいけませんね.

ちなみに,16:00から発表をはじめて,終了したのは19:00でした

みなさん本当にお疲れ様でした
 
 
 
 
 
 

 


大阪大学臨海実習⑤

阪大臨海実習もいよいよ佳境に突入
 

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後半は生理学・発生学実習.担当ボスの西田先生です.

ホヤを主な材料としておられる,発生学の大御所です.

ウェブページはコチラ↓

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/nishida/index-j.html
 
 

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この実習では,
 

「フナムシの行動」

「ウニの受精におけるpHの影響」

「巻貝の出殼反応」
 

という三つのテーマから班でそれぞれ1つを選び,

二日間にかけて実験を行ってもらいます.
 

簡単な目的や実験手法だけはテキストに明示していますが,

そのあとは実験から得られた結果を考察し,仮説を立て,

それをまた実験で検証していく...

というサイクルを,自分自身で行ってもらい,

科学的検証法を体得してもらうのが目的です.
 

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フナムシ班の実験材料収集.

これからフナムシを獲りまくるのだ
 

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やや潮が高いが頑張れ
 

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ちなみに,網だけでなくホウキもフナムシ採集のための立派な武器です.

岩の隙間に潜むフナムシをこのホウキでサッと払い,

下に構えたバケツに落とすという戦法です.
 

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こちらは巻貝の出殼反応実験.

まずは様々なイオン組成の水溶液を用意し...
 

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あらかじめ採集しておいた巻貝を浸し,

どのような反応をするかを観察します.
 

大きく分けて,殻からでる,殻の中に引っ込む,とかいった反応がありますが,

このような結果を水溶液の組成,実際の生態をあわせて考察し,

彼らが自然状況下でどのような塩に反応しているのかを調べます.
 

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巻貝を大量に使うため,場合によっては追加採集も行わなくてはなりません
 

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こちらはウニの受精をpHの関係を調べる実験.
 

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新調したpHメーターが活躍中

様々なpHの水溶液を作るのはそれほど難しくないのですが,
 

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このように受精に用いる配偶子を何度もウニから得なければならず,

作業量が多くなる実験です.
 

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こちらは,阪大留学生の実習でも行っていたフナムシ用の迷路作りですね.
 

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結果を元に新たな実験系を自分でデザインするため,

多様な形の迷路が作られます

学生の工夫が見られるので,この迷路をみるだけでもなかなか楽しめます.
 

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さて,いよいよ研究成果の発表会です

まずは発表順決め
 

ジャンケン,
 

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ホイ!
 

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順番が決まったようです

さあ,いよいよ今年最後の大学実習の発表会が行なわれますよ


大阪市立大学実習③

市立大学実習,まだまだ続きます.
 

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小宮先生の次は後藤先生(中央)の,生理学実験です.

新しくなった実習室の棚に言及していただきました。
 

棚改修の詳しい様子はコチラ↓

http://setoblo.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html

http://setoblo.blogspot.jp/2014/07/blog-post_3.html

http://setoblo.blogspot.jp/2014/07/blog-post_4.html
 
 

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まずは実験材料にする巻貝を採りまくります.
 

アラレタマキビ300個体,

イボニシ200個体,

イシダタミ150個体...

全員の力を合わせて,なんとか採集できました。
 

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そして,新聞紙の上において一晩乾燥状態におきます.
 

乾燥(蓋が閉じた状態)の巻貝を,さまざまな塩組成の水溶液につけてみて,

その反応を見ることで,彼らが海水のどのような成分を認識しているのかを確かめるのです。
 

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乾燥状態に置かれたイボニシ.

元気な個体は軟体部を出してしまうので,ひっくり返していきます.
 

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アラレタマキビを10個体ずつ実験用に分けます.
 

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これを1セットにして溶液につけて,

反応した個体の%をカウントします.
 

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助教の橘先生(左)の指示のもと,みんなで手分けをして溶液作成中.
 

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最終的にさまざまな種類の塩溶液が作られました.
 

あとは得られた結果をまとめて,各自でレポートを提出して完了。

お疲れ様でした。
 

続く.